頭にくる悪口も肥やしにするには
悪口が言い返せるぐらいの量だったら、私だって言い返していましたよ。自分の許容範囲を越えると、諦めというのが出てきます(笑)。どんな悪口かによりますが、自分の考えが深まったり、自分を強めたりしない意見なら放っておいたらいいじゃないですか。
しかし、自分の仕事に対する批判は、聞いておいたほうがいいと思います。とてつもない競争社会なんですから、企画にしろ、商品にしろ、戦略にしろ身内から批判がでるぐらいならどこかで必ず淘汰されてしまうでしょう。
だからこそ、社内で揉んで、自分のアイディアを肉付けしてブラッシュアップして、こう刺されたらこう言い返す、こう打たれたらこう翻すみたいなことを、できるだけやっておいたほうがいいのです。仕事に対する批判は、試合前のキャッチボールみたいなもので頭の体操にもなるはずです。
私だって、仕事をして、批判を聞いて頭にくることはしょっちゅうです。でも、そこでぶつかってみて初めて、そういうふうに見る人もいるんだ、いろいろな考え方があるんだという発見があります。それこそがダイバーシティ(多様性)であり、ならば! と次元の違う新しいこと、アイディアを生み出すきっかけになるのだと思うのです。いろんなことに揉まれることで、商品も洗練されたものになっていくし、自分そのものも磨き上げられていくのです。
そう考えていれば、批判を怖がる必要はなくなってきます。もし批判プラス前向きな提言を持ってきてくれたら、これはありがたく聞くべきでしょう。この手の批判は本物です。こういう人とは新しい仕事の発展を期待できるかもしれません。