仕事ができる人とそうでない人の違いは何か。日本マクドナルド創業者の藤田田さんは「仕事のできる人間はトイレの仕方がまるで違う。それは単なる排泄行為にとどまらず、自己管理や商売感覚にもつながっていく」という――。

※本稿は、藤田田『起業家のモノサシ』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。

成績優秀でも中学校受験に落ちたワケ

私は小学校6年生を2回やった。といっても成績が悪くて落第したわけではない。成績が悪いどころか、常にクラスのトップで、いわせていただけば、弘法大師の再来か、とまでいわれたものである。

私は小学校を優秀な成績で卒業すると、6人の同級生と一緒に中学を受験した。もちろん、6人の中では私の成績がトップである。

ところが、ほかの5人は無事パスしたのに、私だけが入試に落ちた。

男の子が黒板で問題を解きながらいらいらして頭を打ちつける
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当時は学業優秀な自分だけがなぜ落ちたのか、フにおちず、狐につままれたような気持だったが、あとで聞いた話では、当時、私を教えていた小学校の先生が、こいつはこのまま伸ばしたら大変なことになる、ここらで一発くらわしておかなければならない、と思って、「藤田という生徒はカスだから、入学させないほうがいい」と、内申書に書いたのだそうである。

それで、みごとに落とされた。

遊んでいても仕方がない。そう思って、私は父親に、「もう1回、6年生をやらせてくれ」といい、父親は、それもいいだろう、といって、校長に頼みに行ってくれた。

6年生を2回やって得たメリット

ところが、校長はいくら父親が懇願しても、「一度、卒業証書を渡した生徒にもう一度6年生をやらせるわけにはいかない」といって突っぱねる。

「健康を損ねて長期欠席をしたというのなら、6年を2回やってもかまいませんが……」そう父にいったそうである。不健康どころか体は健康そのものだし、頭のほうも弘法大師の再来か、ニュートンの生まれかわりかといわれるほどサエている。

結局、卒業した小学校はお百度踏んでもダメだということになり、別の小学校の6年生へ入れてもらい、翌年、今度はまぎれもなく優秀な成績で中学校へ進んだのである。

しかし、私は6年生を2回やったおかげで普通の人の倍の友人に恵まれた。中学校では同級生はもちろん友達だが、一級上の連中も友達である。友達の多いということが、それ以後の私に、どれだけ無形の財産となったかわからない。

落第も浪人も、一種の“ゆとり”である。そしてその“ゆとり”は、商売をする上でも金儲けをする上でも、大切な要素である。