小便はゆっくりとやったほうがいい
私にも日本人独特のセッカチなところがあって、以前はよくトイレからハンカチで手を拭きながら出て来て、それをアメリカ人に見とがめられたものである。
「デン、君はなぜ、トイレを急ぐのかね」
彼はそういって私に首をふってみせる。はじめは、私のエチケットのことを注意されているのだろうと思っていた。ところが、よく聞いてみるとそうではないのだ。
「体のことは自然にさからってはいけないよ」
彼らは口をそろえてそういう。
日本人がトイレでおシッコをするのを見ると、みんな力んで放水している。しかし、彼らは力まない。自然のままにまかせるのだ。
「おチンチンもパイプだよ。パイプの口に水圧を加えて流せば、パイプが傷みやすい。自然に流すのにくらべると長持ちの度合いが違う。
自分の命のことを考えたら、急いで放水しちゃいけない。力んでおシッコする人は、器官をこわして早死にする可能性が高いから、危なくてそんな人を相手にして商売できないよ」
トイレの仕方で人間がわかる
こう言われて、私はグウの音も出なかった。それ以後は、トイレで商談の相手と並ぶと、つとめて私はツイ立て越しにヒョイとのぞきこむことにしている。
何もサイズを気にしたり、ホモッ気があるからではない。どれだけ器官を大切にしているかを観察するためである。
これからの時代は、お見合いのときに血液検査証を交換するのもいいが、お互いにおシッコの音の聞きっこをして、いかに体を大切にしているかを推測し、成否の判定のデータにするのもいいのではあるまいか。



