大切な人との最期を、後悔なく過ごす秘訣はあるか。医師の安井佑さんは「怖いかもしれないが、まずは一緒に過ごせる時間のリミットを知ることだ。有効なのは、その人の病気にあわせた“残り時間のロードマップ”を頭に入れておくこと。がん、内臓疾患、老衰……それぞれに、見逃してはいけないサインがある」という――。

※本稿は、安井佑『大切な人が亡くなる前にあなたができる10のこと』(かんき出版)の一部を抜粋・再編集したものです。

医師から「治りません」と告げられたら…

医師に「治療すれば治りますよ」「日常生活に戻れます」と言われたら、あなたの大切な人は、まだ人生の最終段階には至っていないということ。その場合、患者さんは治療に専念すればいいだけです。安心して治療を続けてください。

問題は、医師から「治りません」「日常生活には戻れません」と告げられたとき。

これは、残念ながら、あなたの大切な人の人生が最終段階に入ったサインです。

残された時間の中に「いい時間」をつくりたいのであれば、今すぐあなたが動き始めるべきタイミングということになります。

そしてこのとき、あなたに確認してほしいのが、大切な人の「人生の残り時間」の目安についてです。

この点について、ぜひ医師に確認してほしいと思います。

高齢女性と医療従事者
写真=iStock.com/seven
※写真はイメージです

細かい余命は医師にもわからない

ただ、残り時間についても、細かいことはやっぱり医師にもわかりません。

ある程度病気が進行しているのであれば、月単位でおおまかな検討がつけられることもあるので、「次の桜を見るのは難しいかもしれません」くらいのことは言ってもらえると思います。でも、わかるのはその程度です。

ですから、あなたが残り時間について聞くときは、「半年先」「1年先」など、時間を短いスパンに区切って聞くと、医師は答えやすいでしょう。

そしてこのとき同時に、残り時間の「自立度」も確認してほしいと思います。

自立度とは「自分がどれだけ思いどおりに動けるかという指標」です。これがわかると、大切な人がいつまで自分の脚で歩けるのか、介護が必要になるのはいつ頃か……ということが、なんとなくわかります。

つまり、残り時間であなたが何をしてあげられるかが、おぼろげに見えてくるのです。

まとめると、残り時間の目安について医師に聞く場合は、

「半年後(あるいは1年後)、あの人はどうなっていると思いますか? その頃、生きている可能性が高いですか? それとも、亡くなっている可能性が高いでしょうか?」

「もし生きているなら、その頃の自立度はどれくらいですか? どの程度の介護が必要になっていると思いますか?」

というふうに聞いてみてください。

医師はわかる範囲で、答えてくれると思います。