国際的な海路の要衝である南シナ海で、中国と各国の緊張が続いている。軍事ジャーナリストの宮田敦司氏は「中国は人工島を整備して活動拠点とし、他国船にプレッシャーを与え続けている。建設物を設けて存在感を強調することで実行支配を目論む手口は、東シナ海でも同様だ」という――。
2025年12月12日、南シナ海を航行する中国海警局の船(共同)
写真提供=共同通信社
2025年12月12日、南シナ海を航行する中国海警局の船(共同)

オランダ海軍を中国軍が退去させた

中国軍は5月27日、南シナ海の西沙諸島(パラセル諸島)周辺で活動していたオランダ海軍フリゲート艦「デ・ロイテル」を退去させたと発表した。

中国軍南部戦区によれば、同艦は艦載ヘリコプターを繰り返し発進させ、中国が主張する領海上空を飛行したため「領空侵犯」に当たると判断されたという。中国側は警告通信を実施し、艦艇による接近や電子的措置を行った結果、同艦が海域を離れたとしている。

この出来事は一見すると、中国とオランダの間で発生した単発の軍事的摩擦のように見える。しかし実際は、南シナ海で長年続く中国の支配地域拡大をめぐる対立の延長線上に位置づけられるものだ。そして視野を広げると、東シナ海で進む中国の資源開発とも共通する動きが浮かび上がってくる。