東シナ海で続く一方的な資源開発
こうした継続的な活動は、東シナ海でも見ることができる。
中国は1980年代から東シナ海で石油・天然ガスの探査と開発を進めてきた。1983年には平湖油ガス田が発見され、1998年に生産が始まった。その後、開発対象は日中中間線付近へと広がっていく。
代表的な施設として知られるのが、中国名で春暁、日本名で白樺と呼ばれるガス田だ。このほかにも天外天(樫)、断橋(楠)など複数の施設が設置されている。
防衛省によれば、中国は日中中間線付近で23基の構造物を設置している。これらの施設は掘削設備だけでなく、採取した天然ガスを処理する設備や輸送設備も備える。海底パイプラインを通じて陸上施設と結ばれ、生産から輸送までを担う海上拠点として運用されている。
施設では作業員が交代で勤務し、補給船や作業船が定期的に出入りする。燃料や資材の搬入、設備点検、機器の補修などが繰り返されることで、開発活動が支えられている。
日中の合意形成は中断したまま
東シナ海の資源開発をめぐっては、2008年に日中両政府が共同開発に関する合意を発表した。しかしその後、関連する条約の締結交渉は中断し、具体的な進展が見られないまま中国側による開発・運用は現在も続いている。
日中両国は排他的経済水域(EEZ)の境界について異なる立場を取っている。日本は中間線を基準とする考え方を採用しているのに対し、中国は大陸棚の延長を根拠としてより広い海域を主張している。資源開発をめぐる認識の隔たりは現在も解消されていない。
いうまでもなく、東シナ海で中国の活動が見られるのは資源開発海域だけにとどまらない。尖閣諸島周辺では、海警船による領海侵入や接続水域での活動が継続している。海上保安庁は警戒監視を続けており、双方の船舶が海上で対峙する状況が日常的に発生している。
