日本は中国から尖閣諸島(沖縄県)を守り切れるのか。台湾有事への懸念が高まる中、海外メディアは日本の“反撃能力”に注目。特に技術面で優位性のある潜水艦に関心が集まる。中国が無視できない日本の防衛力の実態とは――。
2026年1月16日、中国・北京の人民大会堂で、カナダのマーク・カーニー首相と会談する中国の習近平国家主席(中央)
写真=EPA/時事通信フォト
2026年1月16日、中国・北京の人民大会堂で、カナダのマーク・カーニー首相と会談する中国の習近平国家主席(中央)

「新軍国主義」と批判を繰り返す中国

日本の防衛費増額に、中国メディアが神経をとがらせている。

中国国営放送のCGTNは1月13日付の記事で、日本の2026年度防衛予算が過去最高の9.04兆円に達したと報じた。増加は14年連続。2022年度と比べると、わずか4〜5年で67%も膨れ上がったと言及した。

CGTNは、攻撃型を含むドローン戦闘システムの整備、長距離打撃能力やミサイル防衛の強化、宇宙など新領域への投資、そして南西諸島の防衛力増強に予算が重点的に配分されていると指摘。「日本は軍拡路線をひた走っており、戦後の平和体制から脱却する意図は誰の目にも明らかだ」と極めて批判的に論じている。

中国共産党系タブロイド紙・環球時報の英語版、グローバル・タイムズも論評で、補正予算などを加えると防衛費は約11兆円に膨らみGDP比2%に達すると指摘。日本は「新軍国主義」に向かっていると断じた。

だが、こうした中国メディアの主張は、地域の安全保障環境の一面しか見ていない。南シナ海問題に東シナ海問題、台湾海峡有事やフィリピン海の安全保障など、実際に西太平洋の状況を脅かしているのは誰か。

“ただの漁船”を大動員した理由

ニューヨーク・タイムズは1月20日の記事で、中国漁船に不穏な動きがあると指摘している。昨年12月から今年1月にかけて、まずは約2000隻、次いで約1400隻の中国漁船が、突如として東シナ海に大規模な船団として集結した。

海事・軍事の専門家らは、この動きを「海上民兵」、つまり有事に軍事作戦へ参加する訓練を受けた民間漁船の部隊を集めた、大規模な動員訓練と見ている。中国が係争中の海域へ大量の船舶を瞬時に展開できる能力を見せつけたものだと、専門家らは警鐘を鳴らす。

同紙は、台湾をめぐる危機が起きた場合、中国は漁船を含む数万隻もの民間船舶を動員して航路を塞ぎ、敵対する国々の軍事行動や物資補給を妨げる恐れがあると警告している。

漁船そのものは民間船であり、海上封鎖を実施するには小さすぎる。しかし、アメリカの軍艦の動きを妨げることは可能だとの見方がある。元アメリカ海軍士官で新アメリカ安全保障センターに所属するトーマス・シュガート氏は同紙に、大量の小型船がミサイルや魚雷のおとりとなり、レーダーやドローンのセンサーを数的優位で圧倒しうると指摘する。