人間の体は息を引き取る直前、どのような状態になるのか。多くの看取りをしてきた緩和ケア医の岡山容子さんは「間もなく死を迎えるであろう人には11個の“生理的な変化”が訪れる」という――。

※本稿は、岡山容子『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

赤いハートと脈拍の波形を示したピクセル化イラスト
写真=iStock.com/JuSun
※写真はイメージです

「最期の時」を前にした生理的変化

私自身が看取りの医師として、患者のご家族の方に、最期の時を迎える患者さんの状態についてご説明するメモがあります。

このメモは、死を前にした方の多くに見られる「生理的な変化」について説明したものです。これらの生理的な変化はすべて起こるということではありません。

また、順序も記載どおりということもありません。

ただ、こういうようなことが起きる確率が高いということを知っておいてほしいためにまとめたものです。

これは、身近な人の死を前にあわてたり怯えたり、必要以上に不安になってしまったりすることを防ぐためにご説明しています。

なお、このメモは神戸で緩和ケアをなさっている、かえでホームケアクリニック顧問の関本雅子様から頂いたものに、私の経験を踏まえて変更・補足をしています。

11の生理的な変化

間もなく死を迎えるであろう人に訪れる「生理的な変化」を11個にまとめています。一つひとつご説明していきましょう。

①食事量

死の前によく出てくる1つ目の兆候として、食事量が減ります。

食事量が極端に減ったとき、医師は「もしかすると残された時間は『日単位』の可能性かもしれません」のように説明します。

②声の張り

2つ目、声の張りがなくなります。

この場合も残り時間が短めの日単位、もしかしたら時間単位かもしれないと説明することもあります。

③寝たり起きたり

3つ目、寝たり起きたりを繰り返しがちになります。

ただ、そんなときでも耳はよく聞こえていて、寝ていると思っていても聞いていたりするので、あまりご本人が聞いて気分を害するようなことは言わないほうがいいように思います。

とはいえ、関係のよくない親の場合、そう思いすぎてストレスが溜まることはよくあることです。それもあまりよくないので、気持ちの向くまま、自然に任せるというのもひとつだと思います。

末期がんの母の横で私も「死ぬ死ぬ」とわめきましたし、父や叔母なども恨み言を言ったものです。人は正解どおりには動けないものです。