息を引き取る直前にする「下顎呼吸」

④意識や判断力の低下
岡山容子『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
岡山容子『毒親を在宅で見送った緩和ケア医が伝える 関係のよくない親を看取るということ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

4つ目、今いる場所がわからなくなったり、昼と夜の判断がつかなくなりがちです。

時には自分の子どもであっても、誰だかわからなくなることがあります。

大きな声をあげたり、服を脱いでしまうこともあったりします。この場合は「せん妄」という状態のことが多いです。医師に相談しつつ、医療的な対応が必要なときもあります。

⑤手足の腫れ

5つ目、下半身や手の甲が腫れてきます。

これは優しく、ゆっくりマッサージをすると軽くなることがありますが、本人が苦しくなければ様子を見ることも多いです。点滴をするとこの腫れがひどくなりがちです。

⑥呼吸音がゴロゴロなる

6つ目、呼吸をするときに多量の唾液が喉に溜まって、ゴロゴロと音がする場合があります。点滴をしていると、この分泌物が増えて不快感が強くなることがあります。

⑦手足が冷たくなり、青白くなる

7つ目、手足などの血流が減ってしまい、冷たくなりがちです。

これは飲んだり食べたりすることが減り、脱水傾向になることが影響しています。体には、大切な部分に血液を送ることを優先する働きがあるのです。そのため、体の遠い部分は、血流不足によって冷たくなったり、時に青白くなったりすることがあります。

⑧尿量が減る、出ない

8つ目、脱水傾向になるため、尿量が減り、時にはまったく出ないこともあります。また、尿が作られたとしても、膀胱の機能がうまく働かないために、尿が膀胱に溜まっているのに出ないということもありえます。

⑨発熱

9つ目、発熱が見られることがあります。この終末期での発熱には、解熱剤はあまり効かないことが多いといわれています。

⑩呼吸が不規則になる

10番目、呼吸が不規則になりがちです。

呼吸がだんだんゆっくりになり、30秒ぐらい止まって、そしてまた速い呼吸が再開することがあります。これを「チェーンストークス呼吸」と呼びます。

⑪下顎呼吸

11番目、死の直前にするといわれる「下顎呼吸」になります。喘ぐように下顎を上下に動かす呼吸のことです。

この呼吸は一見苦しそうですが、この状態であってもコミュニケーションがとれることもあります。この下顎呼吸は死の数時間前に起きる生理的な呼吸であり、異常なことではありません。ここまで、死を前にして訪れる生理的な変化を説明しましたが、後ろのほうに行くにつれ、死が近いとされがちです。