※本稿は、北村俊雄『東大名誉教授が教える 死なない生き方』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。
「バランスのいい食事」ならサプリはいらない
元気で健康に長生きするためには、好きなものを食べて幸せを感じることが大切だ。科学的なコメントではないと思うかもしれないが、じつはストレスや幸福感は身体の状態を大きく左右する。
食べて幸せを感じるといっても、飲食が過ぎたり、偏食だったりするのは問題である。本稿では、無理なく、楽しく適切な食事をとるコツを紹介する。
健康を保つために、バランスの良い食事をとることは極めて重要だ。暴飲暴食をせず、規則正しくバランスの良い食事をとっていれば、サプリメントはほとんど必要ないし、生活習慣病の発症リスクも抑制される。
それでは食事で気をつけるべきこととは何か? 当たり前のことのようだが、カロリー過多にならないこと、野菜・肉・魚などをバランスよくとること、塩分や脂分を抑えることである。
日本食は健康と長寿につながりそうだということで、欧米では日本食ブームが長く続いている。比較すべき要素が多すぎるので、どこがいいのかは簡単に説明できるものではないが、欧米の食事と大きく違うことは、刺身や寿司など生の魚をとることや焼き魚が多いことだろう。また懐石料理がそうであるように、少しずつ多くの種類を食べることも特徴の一つだ。他には日本茶の効用もありそうだ。
ベーコンやソーセージなど「加工肉」は控えて
次に、たくさん食べない方がよいもの、総カロリー、食事のバランス、アルコールなどについて、気をつけるべきことを述べる。
健康に良い食品、悪い食品についてはいろいろと言われている。
しかし、健康に良くても、それだけを食べつづけるのは、良くないことは明白だ。バランスよく食べることが大事だが、そのバランスの中で控えるべき食品を紹介する。
ここで紹介するのは、主に動脈硬化に対するもので、本人あるいは血縁者に血圧が高い人、LDLコレステロールや中性脂肪が高い人、心筋梗塞・脳梗塞の既往症がある人は特に気をつけてほしい。
牛や豚の赤身肉はリンを多く含んでいるので、食べすぎると心血管系に有害だという報告があるが、専門家によると赤身肉に含まれているリンは有機リンであり、腸管から半分くらいしか吸収されないので、大きな問題にならないという。豆類やカボチャなどに含まれている植物性のリンは、さらに吸収率が低く(30%程度)、健康にいい。
一方、ベーコンやソーセージなどの加工肉や、プロセスチーズや炭酸飲料に含まれているのは「無機リン」であり、100%腸管から吸収されるので、腎臓が悪い人には問題になる。透析している人の死亡率を上昇させるという報告もある。さらに加工肉には、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が多く含まれていることもあり、控えるべき食品だ。


