デジタル社会において日本企業は世界をリードできるのか。楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之さんは「インターネットやAIのインフラ分野では米国勢が圧倒的に優位だが、これからは生成AIによって『言語の壁』が劇的に低くなる時代がやってくる。これにより、日本が生み出す文学作品や音楽、アニメといった質の高い無形コンテンツが、これまで以上に世界で評価されるようになる」という――。(第1回)

※本稿は、窪田真之『「超」成長株の見つけ方』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

日本東京証券取引所
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米国のテック株はなぜ成長し続けるのか

美しい成長株が多いのは米国です。すでに名の知れた半導体大手「エヌビディア」は、成長のための確固たるビジネスモデルがあり、株価も利益もきれいに成長が続いています。同社の成長力は、図表1のように評価できるでしょう。

エヌビディアだけでなく、Microsoft・Googleなど米国には美しい成長株が多数あります。それは、インターネット・AIを利用するための世界インフラを支配している強みが何十年も続いているからです。Microsoftは、世界中で使われる基本ソフト(Windows)を支配している強みを活かして、インターネットを使う新しい革新的なサービスが現れると次々と取り込んで成長を続けてきました。

Googleはインターネット上の検索ソフトを支配している強みを活かして、基本ソフト(アンドロイド)でもMicrosoftに対抗してシェアを伸ばし、新しい革新的なサービスを取り込んで成長を遂げました。

身近な例で言えば、私たちがパソコンを購入すると、ほぼ自動的にMicrosoftの「Windows」かGoogleの「アンドロイド」がセットされています。なんらかの基本ソフトを使わないと、パソコンが動かせないので当然です。

Wordに敗北した「一太郎・花子」

Microsoft「Windows」のセットされたパソコンを使って文書を作成する場合、原則として「Microsoft 365」というソフトを利用することになります。日本語の文書を作成するならば、そこにセットされている「Word」を使うことになります。日本語の文書を作るために、かつては「一太郎・花子」など日本発の優れたソフトがありました。

私も昔は「一太郎・花子」を使っていました。ところが、パソコンで大量の文書を作成するのが普通になると「Word」を使わざるを得なくなりました。当時、日本語能力が最高レベルだった「一太郎・花子」を捨てて「Word」を使わざるを得なくなったことは非常に心外でしたが、Microsoftが支配するWindowsを使う以上、ほかに選択肢がなかったのです。

その後、「Word」の日本語能力も向上してとても良くなりましたが、結局、基本ソフトで世界を支配しているMicrosoftに日本のソフトウェアはかなわないと痛感しました。Googleも検索ソフト世界トップで、かつ基本ソフト「アンドロイド」で世界を支配していて、Microsoftとともに圧倒的な強さを有しています。