ネットサービスで世界に勝てない日本企業

日本でも、東京タワー隣接地でのデータセンター建設計画が明らかになり、議論が広がっていますが、MicrosoftやGoogleは、次の成長に必要なAI開発領域においても、世界をリードしています。具体的には、AI活用に不可欠なインフラである「AIデータセンター」への投資で先行しています。

Amazonも合わせた3社でクラウドサービスで世界を支配し、収益基盤をさらに強固にしているため、AIを活用したビジネスがこれからどんどん増えるに従い、Microsoft・Googleの躍進が続くと考えられます。インターネット・AI利用者の一人としては、強すぎるMicrosoft・Googleに懸念を持ちます。

ただし、投資家としては、Microsoft・Googleのように、インフラを支配することで確固たるビジネスモデルを維持している企業は頼もしいと思います。唯一の懸念は、あまりに強すぎて欧米で独占禁止法に違反しているとみなされて課徴金をかけられたり、会社分割を要求されたりすることです。

一方、日本からはなかなかインターネットやAIサービスで世界を支配する企業が出てきません。革新的サービスを次々と生み出す発想力はすばらしいのですが、いざ世界展開の段になると、Amazon・Microsoft・Google・Meta(旧Facebook)・Appleなどの米テック大手にかなわず、成長の芽をつまれてきました。

Google社
写真=iStock.com/400tmax
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「アメーバブログ」も「iモード」も敗れる

ここで歴史を振り返ってみましょう。NTTドコモが1999年に始めたiモードは、ケータイからインターネットに接続してウェブサイト情報を閲覧する世界初のサービスでした。同社はiモードの世界展開を目指して努力しましたが、日本独自の規格が受け入れられることはありませんでした。

そのうち、米国勢が展開するインターネットサービスに世界中を支配され、NTTドコモのサービスはあっけなく終了してしまったのです。

高機能ケータイの開発でも同社は先行しましたが、独自規格で世界に受け入れられることはなく、米国の携帯電話大手AppleのiPhoneとの競争に敗れました。SNSサービスでは日本のサイバーエージェントが2004年に始めた「アメーバブログ」が早かったのですが、後から広まった米国勢によるFacebookやX(旧Twitter)などに主役の座を奪われました。

インターネットもAIも、利用するためのインフラを米国勢に押さえられているので、日本企業は圧倒的に不利です。先にサービスを始めても、後から開始する米国勢に市場を奪われる――その繰り返しでした。

それでもなお、日本企業が強い分野はあります。ゲームがその代表です。ゲームでは任天堂・ソニーグループの2社が世界トップの競争力を維持しています。MicrosoftやGoogleが参入して日本勢の牙城がじょうを崩そうとしましたが、成功していません。