日本企業が世界に勝てる分野は「エンタメ」
加えてゲームやアニメなど、さまざまなデジタル・コンテンツ、エンターテインメントの領域では日本勢に成長のポテンシャルがあると思います。私自身は、とくにソニーグループに期待しています。
美しい成長株として私が高く評価する企業が、ソニーグループ(証券コード6758)です。ソニーグループは20世紀に「美しい成長株」でした。1980年代に黄金期を迎えた同社は、1990年代以降は「残念な成長株」に転落したのです。そこからビジネスモデルを変え、再び21世紀に「美しい成長株」として復活を遂げました。
ソニーグループの歴史は、日本の製造業の盛衰をよく表しています。20世紀は、人類がものの豊かさを求めて努力した時代。便利なものを創り出して安く大量生産する企業が成長し、その競争を勝ち抜いたのが日本の製造業でした。
1980年代は、ソニーグループ・松下電器産業(現パナソニック)・日立製作所・東芝・日本電気(以下「NEC」と表記)・トヨタなど、日本企業が製造業で世界トップに上りつめた時代でした。製造業としてのソニーグループの成長は1980年代までで終わりました。
なぜソニーは世界最強になれたのか
しかし、お見せしている株価と連結純利益は、1990年代以降、ソニーグループが「没落する成長株」となりかかる危機を乗り越えて、復活していく過程を示しています。その勝因はなんでしょうか?
その答えは、1990年代以降、ソニーグループがビジネスモデルを大きく変えたことにあります。製造業を縮小して、ゲーム・音楽・映画をグローバル展開する総合エンターテインメント企業として方針転換したことが、復活と成長のターニングポイントでした。
その後、20世紀には中核事業であったテレビ・音響機器などの製造業は、今はかなり縮小されました。現在では、ゲーム・音楽・映画を展開する総合エンターテインメント企業として、グローバルに高い競争力を持って成長しつつあります。製造業としては唯一、半導体(画像センサー)で高い収益をあげていることでも話題でしょう。
このように同社は見事な事業転換を果たしたわけですが、最初からはっきり道筋が見えていたわけではありません。ハード(製造業)重視かソフト(ゲームなど)重視か、社内で何度も議論し、ハード重視へ戻る局面もありました。



