脳を鍛えるためには、何をすればいいか。脳内科医の加藤俊徳さんは「脳をトレーニングするコツは『同時にふたつ以上の動作をおこなう』ことだ。私がよくおすすめする運動がある」という――。

※本稿は、加藤俊徳『80代でも若返る脳』(新星出版社)の一部を再編集したものです。

運動運動の後、パークシティで屋外で楽しんでいる幸せな高齢者
写真=iStock.com/Krisada tepkulmanont
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医師が勧める、脳が喜ぶ「人為的な変化」

「いつもとちがう“変化”」を起こすと、先述した脳番地の多くはびっくりしながらも張り切って対処に動き出します。日常生活で脳が喜ぶような「人為的な変化」を起こしていくのは、80代を超えて50代並みの認知機能を保つ多くのスーパーエイジャーが得意とするところです。

私がおすすめする日常の変化は「音読」。

いつもであれば黙読するところを、声に出して、しかもスピードを変えてみるという「変化」をつけてみるのです。

音読は子供の頃に国語の授業以来という方も多いでしょう。実は、60代、70代、80代の脳にとって音読はとてもいいことです。「成長する脳」という点で、子供も高齢者も変わりはないからです。

音読をすると次のような脳番地リレーがおこなわれます。

①「視覚系」が1文字ずつ文字を拾ってひとつながりの文にする
②「記憶系」が蓄積されている言葉と結びつける
③「理解系」で意味を理解する
④「伝達系」で文章が伝えようとすることをイメージする
⑤「運動系」が肺、喉、舌、唇を使って発声する
⑥「聴覚系」で自分の声を聞く
⑦「思考系」が発音や言い間ちがいなどを確認する
⑧「感情系」が(一連の流れから)楽しさや達成感を得る

音読を始めると最初の変化として「声が出しやすくなる」「聞こえがよくなる」を実感するでしょう。

つづいて、日常会話での「あれよ、あれ」「あのー、そのー」など、言葉の出にくさも改善されていきます。

また、顔や舌の筋肉が鍛えられるので表情が豊かになるほか、嚥下能力も向上します。

【図表1】音読は全ての脳番地を刺激する
出典=加藤俊徳『80代でも若返る脳』(新星出版社)