「本物の富裕層は100万円のワインを黙って開け、偽物の富裕層はセラーの前で30分語る」。富裕層マーケティングを長く手掛ける西田理一郎さんは、残酷なまでの境界線をこう表現する。現代において、ワインの「値段」を知っていることには何の付加価値もない。では、ワインで商談や社交を成功させる人は、どんなことをしているのか――。
ワインで乾杯する場面
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賢者は、ワインを前に蘊蓄を語らない

ワインの知識は、残酷なまでに人を二分する。それは「ワインにひれ伏す側」と「ワインを従える側」だ。前者は100万円のラベルを拝み、後者は3000円の安酒を武器に変える。

この境界線は、単なる経済力の差ではない。では、どこが違うのか。

一例を出そう。知人宅のホームパーティーに招かれた際、最も警戒すべき瞬間がある。主人がおもむろに「ちょっとこっちへ」と手招きし、別室へ誘うときだ。