歯医者に行って言われるがままに受ける治療……はたしてそれは「正解」なのか? 歯科の技術や機器が進化を遂げる今、治療の最新常識を第一線の歯科医がレクチャー。コストとリスクを学んで、自分にとっての「最適解」を見つけよう。

病気の診断は一つでも「治し方」は複数ある

いい歯医者とは何か。それは「名医かつ良医」だと私は考えています。

経験豊富で技術も知識も素晴らしく、学術、教育活動にも熱心に従事している先生が名医です。名医は卓越した臨床結果を数多く有し、難症例においても安定した結果を出すなど、的確な診断力と精確な治療手技を持っている先生といえるでしょう。対して、良医とは患者さん一人ひとりに親身に寄り添い、病気だけでなく患者さんを診ることのできる先生です。正確な診断力と適切な治療選択ができるなど、高い医学的能力に加え、倫理観と優れた人間性を併せ持つことが求められます。医療では、名医である外科医と良医の内科医が役割分担しながら連携することで高度なチーム医療を実践することができます。

一方、歯科医療では、歯科医は患者さんを独りで診ることが多いので、名医と良医の両方を兼ね備えなくてはなりません。患者さんとは1〜2カ月どころか、一生お付き合いする「かかりつけ医」になる可能性もあります。患者さんの背景や要望、ちょっとした変化もできるだけ察知しながら、技術・知識以外のメンタルサポート的なこともこなしていく。名医として適切な治療を施術するだけでなく、アフターケアもする良医として寄り添う必要もあるのです。

(構成=木原洋美)
【関連記事】
「即日インプラント」に飛びつく人が必ず後悔するワケ…決定版「頼れる歯医者、危ない歯医者」の見分け方
自費診療の6割が「もっと早くやればよかった」と告白…資産1億円超VS1000万円未満の「歯への投資」全データ
9割が損している歯医者のウラ側…通院前にわかる「頼れる歯科医院」3つの条件
「神経は抜くな」「銀歯はダメ」「削らないのが名医」…現役歯科医が本音で教える「むし歯のウソとホント」
「インプラントや矯正は対象外」は思い込み…税務署が教えない「歯科節税」の裏ワザ