「大屋根リング」設計者が手掛けた仮殿
福岡県太宰府市の太宰府天満宮。祀られているのは学問、文化、芸術と受験の神様、菅原道真だ。同神宮には国内外から年間1000万人以上の参拝客(※)がやってくる。
※観光庁解説文データベース
現在、太宰府天満宮は2027年の「菅原道真公1125年太宰府天満宮式年大祭」に合わせ、本殿を改修している。改修期間中、参拝者を迎えている「仮殿」は前衛的な建築で、屋根の上には梅、樟、桜の若木が植わっている。屋根の上に樹木の庭園があり、仮殿はインスタレーション作品のようだ。設計したのは大阪万博の大屋根リングを考えた建築家の藤本壮介。話題になっていることもあって、通常の参観者のほか、仮殿を見物にやってくるアートファンも少なくない。
仮殿の建築を目当てにやってきた人たちは拝観とともに、参道にあるスターバックス太宰府天満宮店を見物する。同店は建築家の隈研吾が設計した木組み構造で知られ、つねに人でいっぱいだ。太宰府天満宮の仮殿と参道のスターバックスがあるため、そのエリアはアートサイトのようになっている。
2025年の11月、参道から少し外れたところに古民家をリノベーションした土産物店「ビームス ジャパン 太宰府」ができた。仮殿、参道のスターバックス店と同じアートの気配を感じさせる店で、プロデュースしているのはセレクトショップのビームスだ。
ビームスは現在、国内に150店舗以上を持ち、海外ではアジアを中心に約20店舗を擁している。同社の売り上げは914億円(2025年2月期)である。
出雲、宮島、日光、善光寺に出店
ビームス ジャパン 太宰府は同社がゲートストア事業と呼ぶ地域共創型の出店プロジェクトの店だ。同事業は2022年から始まっていて、国内の寺社、名所、景勝地で地域の人たちとともに土産物の開発、店舗運営を行っている。ビームス ジャパンの店舗の数は11。そのうちゲートストア事業の店舗は8店舗。出雲、宮島、日光、善光寺などにある。
太宰府店は築80年以上の民家を改装したものだ。太くて頑丈な梁は残してあるが、天井板、壁板、畳などは撤去し、すっきりした広い空間を店舗として使っている。
ビームスがプロデュースしているだけあって同店は外観、インテリアだけでなく、扱っている商品がこれまでの土産物店とは一味違う。
商品は3種類ある。
ひとつは日本に昔からあったもの。ビームスがコンテンポラリーに最適化した土産物である。信楽焼の狸の置物、招き猫、富士山を模した丼鉢などがそれにあたる。
2番目は地元、福岡県の伝統的な県産品だ。八女提灯、筑後地区のいぐさで作った花ござ、小倉織のトートバッグなど。
3番目はビームス ジャパンオリジナルのTシャツなど服飾雑貨品。つまり、同店に並んでいるのは日本の伝統銘品、地域の特産品、オリジナル商品である。
店長の赤峰未来さんは「おかげさまで、すごく売れています。全国にあるビームス ジャパン ゲートストア店舗のなかでも売り上げはかなり上位です」と言った。


