「文系」という言葉を、日本語や英語といった「自然言語」で思考を進める人という意味でとらえるならば、私はこれからは「文系の時代」が来ると思っている。
その最大の根拠が、人工知能の発達が「大規模言語モデル」というかたちで起こったことである。従来、言葉は曖昧であり、緻密でシステム的な思考には向いていないともされてきた。しかし、さまざまな言語に依拠した大規模言語モデルは、論理的な推論から、「世界モデル」まで、人工知能の高度な能力の基礎になることが示されたのである。
数学はこの世界を理解するうえで有力な方法であると見なされている。一方で、方程式や統計といった従来の厳密科学のやり方だけでは、私たち人間が住むこの世界についての網羅的で有機的な知を築き上げることは難しいことも見えてきている。その意味で、大規模言語モデルの隆盛は、自然言語の復権であり、文系の逆襲であると言える。
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