※本稿は西山耕一郎、熊井良彦『長生きのど習慣 健康寿命はのどで決まる』(日本文芸社)の一部を再編集したものです。
ノドの機能を維持=健康寿命を維持
ノドは生命維持に欠かせない嚥下・発声・呼吸路という3つの大切な機能を担っています。つまり、ノドの働きを強化することは、健康寿命を維持するために重要となるのです。そこで、ここからは、ノドの筋肉を鍛え、飲み込む力を高めるための方法を紹介します。
とはいえ、何も難しいことはありません。特別な機器やハードなトレーニングは必要なし。ノド仏を上下させる「ノドの筋トレ」や少し深い呼吸を意識する「呼吸トレーニング」など、日常生活に気軽に取り入れられるものばかり。
しかも、毎日たくさんやる必要もありません。何もしなければ、加齢でノドの機能は衰えますが、こうした小さな動きを意識するだけでも、ノド周辺の筋肉はしっかり使われ、少しずつ鍛えられていきます。
さらに、ノドは日常生活の中の何気ない動作でも自然に鍛えることができます。例えばウォーキングでは自然に呼吸が深くなり、飲み込みを支える力が養われ、会話やカラオケのように声を出すことも効果を発揮。
特に歌うときには呼吸をコントロールし、ノドやその周囲の筋肉をバランスよく使うため、無理のない飲み込み機能の維持・向上につながります。このように、特別なことをしなくても、日々のちょっとした習慣の積み重ねが、ノドの力を着実に鍛えてくれるのです。
食事前のノド準備体操で「長生き」効果アップ
ノドのトレーニングはいつ行うかによって得られる効果は大きく変わります。中でも誤嚥予防に欠かせないのが食事前のタイミングです。
なぜなら、トレーニングによってノドの中で防波堤のような役割を果たしている喉頭蓋が動きやすくなり、食べ物が誤って喉頭から気管に入ることを防いでくれるからです。
また、ノドまわりの筋肉が準備運動をすることで飲み込む動きがスムーズになり、さらに唾液の分泌も促されるため、飲み込みはより円滑になります。
食事前の準備運動として、この後に紹介する「嚥下おでこ体操」「あご持ち上げ体操」「ペットボトル呼吸」の3つを行い、安心して食事を楽しみましょう。
休日など時間のあるときには、食事前の3つのトレーニングに加え、「ボール潰し体操」と「口すぼめ呼吸」も実践してみてください。でも、最初から完璧にやろうとせず、「嚥下おでこ体操とあご持ち上げ体操だけやってみる」くらいの気持ちで十分。無理なく続けることが、飲み込む力を保つ一番の近道になります。
続けるためには、ちょっとしたコツがあります。食事前のルーティンに加え、テレビを見ながらや入浴中など日々の流れの中に組み込むと習慣化しやすく、負担も感じにくくなります。忙しくて時間がとれない日や、体調がすぐれないときは、無理をする必要はありません。ただし、休んでいる時間が長くなると再開するのが億劫になってしまうので、あまり間をおかずに再開しましょう。



