寝たきりを回避するには何が必要か。予防医学に詳しい内科医の森勇磨氏は「転倒して骨折し、寝たきりになるリスクを下げるため、日常生活で補給してほしい栄養素がある。味噌汁など普段の食事に、あるキノコを入れるだけでよい」という——。

※本稿は、森勇磨『年金暮らしでもお金をかけずにできる 0円予防医学』(高橋書店)の一部を再編集したものです。

木の板の上に並んだ様々な食用キノコ
写真=iStock.com/petesphotography
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骨折を防ぐ「骨を強くする食材」

「転んで骨を折ったら、そのまま寝たきりになるかもしれない……」

この不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。実際、高齢者の大腿骨近位部骨折(太ももの付け根の骨折)は、年間20万件以上発生しており、骨折後に生活機能が大きく落ちてしまうケースも少なくありません。

つまり、たった1回の転倒が、その後の人生を大きく変えてしまう可能性があるわけです。「骨を守る」ことは、「自分の足で歩き続ける人生を守る」ことに直結するのです。

骨を強くする栄養素といえば、まず思い浮かぶのは「カルシウム」でしょう。そしてカルシウムといえば「牛乳」というイメージが強いかもしれません。ですが、じつは牛乳以外にも、安くて手軽にカルシウムを摂れる食品がたくさんあります。

まずおすすめしたいのが、「小魚」です。しらす干し、ちりめんじゃこなど、骨ごと食べられる小魚はカルシウムの宝庫です。ご飯にふりかけるだけでOKで、ふだんの生活にも取り入れやすいです。

次におすすめなのが、「厚揚げ」と「木綿豆腐」です。とくに厚揚げは、製造過程でカルシウムが濃縮されるため、絹ごし豆腐の約3倍のカルシウムを含んでいます。しかも1枚100円前後と、お財布にもやさしい食材です。

そして、案外知られていないのが「小松菜」。野菜の中でもほうれん草の約3倍のカルシウムを含み、年間を通じて1束100円前後で買えます。

カルシウムの吸収を助ける栄養素

ただし、カルシウムは摂るだけでは不十分です。吸収されなければ意味がありません。そこで重要になるのが「ビタミンD」です。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける「縁の下の力持ち」のような存在で、食事では鮭、しらす干し、干ししいたけなどに多く含まれています。

つまり、「小魚+干ししいたけの味噌汁」という組み合わせは、カルシウムとビタミンDを同時に摂れる、骨のための最強メニューなのです。

骨を強くするためには、一時的に頑張るのではなく、毎日の食卓に「骨にやさしい食材」を少しずつ取り入れていくことが大切です。

しらす干しをご飯にふりかける、厚揚げを味噌汁に入れる、小松菜を炒めものに使う――どれも調理の手間はほとんどありません。