時給全国平均は前年比5%増の1177円
10月から実施の26年度の全国の最低賃金が出揃い、全国平均で前年比56円(5.0%)増の1177円となった。
最も高い東京は1280円、最低額は宮崎の1085円だ。
上がったといっても引き上げ額・率は前年度(66円・6.3%増)を下回り、前年割れとなるのはコロナ禍の2020年度を除いて東日本大震災の2011年度以来17年ぶりだ。
石破茂政権が掲げていた全国平均1500円の達成時期を高市早苗政権が2020年代から2030年代前半に後退させる方針を示したことが大きな影響を与えたことは間違いない。
雇用者の半分が「時給1500円未満」
時給1177円になっても月額は17万6550円だ(月150時間労働)。仮に時給が1500円に上がっても月額は22万5000円にしかならない。非正規を含めて時給1500円未満で働く人は2833万人と推定され、全雇用者(5672万人、労働力調査)の49.8%と2人に1人の割合だ。しかも日本人の貧しさを象徴するのが先進諸国と比べた最低賃金の低さだ。
イギリス2656円、フランス2214円、ドイツ2590円、オーストラリア2887円だ(2026年6月時点)。日本はその半分以下であり、今年1177円に上がったとしても高騰する物価高を乗り越えるには焼け石に水だ。
「生活保護も視野に入れています」
非正規社員からも悲痛な声が上がっている。小売業のパートで働く千葉県の30代の女性の時給は1201円から1400円。こう語っている。
「1人で住んで働きたくても、敷金や引っ越し費用や家賃や光熱費がまったく払えない給料なので、諦めざるをえません。このままでは将来的に金銭的に生きるのが難しく、生活保護も視野に入れています」
教育・学習支援業に勤める東京都に暮らす20代の臨時職員の給与は15万円以上20万円未満。こう語っている。
「勤務は時給で週4日なので、他の場所でアルバイトを週0~2日で行い生活費を補填している。幸いにも体は大丈夫なので医療費などの出費はほぼないが、今の状態で病気など働けない状態になればすべて破綻してしまう」

