消費税減税に向けた体制固め

国民受けする政策の実行部隊を作るのが高市早苗首相の狙いだったのだろう。9月17日に行った内閣改造で生まれた新体制は、高市色が強いものになった。18人の閣僚のうち、主要閣僚8人を留任させる一方、初入閣7人、再入閣3人と若手の登用を増やした。連立を組む日本維新の会から初めて入閣したのも今回の特徴だ。高市氏はこの体制で何をしようとしているのか。

第2次高市改造内閣が発足し、記念撮影に臨む高市早苗首相=2026年9月17日、首相官邸
写真=共同通信社
第2次高市改造内閣が発足し、記念撮影に臨む高市早苗首相=2026年9月17日、首相官邸

組閣人事で最も早く内定が報じられたひとりが片山さつき財務相の留任だった。当初は交代説も流れたが、高市首相ご執心の食料品の消費税率1%への引き下げに協力する姿勢を鮮明にしたことで、早々に留任が固まった。党役員人事でも麻生太郎副総裁の続投が早々に決まったほか、麻生氏の義弟である鈴木俊一氏の幹事長も留任が固まった。高市首相は、財務省に睨みがきく麻生氏や鈴木氏を押さえ、片山財務相を続投させることで、消費税減税に向けた体制固めをしたわけだ。

外堀を埋められた財務省

財務省は当初、消費税減税には何としても抵抗する構えで、世論を消費税減税反対に向かわせるなどして、減税ではなく給付に持っていこうとしていたとされる。そのうえでは、財務省OBの先輩で言うことを聞いてくれない片山財務相の残留は何としても避けたかったところだが、高市首相に外堀を埋められる格好になった。

高市首相としては10月招集の臨時国会で法案審議がされる消費税減税は絶対に通すという信念が感じられる人事だった。

次に米国との関係など外交安全保障政策だ。茂木敏充外相の留任は早々に決まったが、赤沢亮正経産相の扱いは最後まで揉めていた模様。赤沢氏を外して、高市氏の最側近のひとりである城内実氏を経済財政政策担当相から横滑りさせるという説が流れていた。

米国との関税交渉などを一手に担いトランプ大統領とも直接面会してきた赤沢氏を主要閣僚から外すことには、政策ブレーンなどからも反対する声があったとされる。結局、両氏とも従来のポストで残留するということになり、厄介な米国との交渉の行方に気を揉んできた政策通たちは胸を撫で下ろした。