「改札でタッチ」の時代が終わる?
2001年に登場したSuicaは、日本の駅の風景を大きく変えた。
これまで切符や定期券を改札機に入れていたのが、「ピッ」とタッチするだけ。しかも処理にかかる時間はわずか0.2秒。世界でも屈指の混雑を誇る首都圏の駅で、次々と人を気持ちよくさばいていく。
交通系ICは日本全国に広がり、私たちの生活に密着した。ところが、今では当たり前となった「ピッ」を、JR東日本は終わらせようとしている。
同社は2024年12月、「Suica Renaissance」と名付けた今後10年間の大規模なSuica改革を発表した。その中でも特に目を引くのが、「改札はタッチするという当たり前を超える」という構想だ。将来的には、タッチせずに通過できる「ウォークスルー改札」の実現を目指している。
全国で広がる「顔パス改札」の課題
では、どうやって「タッチしない改札」を実現するのか。なかには「顔認証」を思い浮かべる人もいるかもしれない。改札を通る時は、顔を見せるだけ。つまり「顔パス」で改札を通れるシステムがすでに日本各地で導入が始まっている。
2024年には日本の鉄道会社で初めて、千葉県の山万ユーカリが丘線が導入した。大手私鉄で初めて導入したのは東武鉄道。2026年に、池袋駅などで顔認証改札が始まっている。
各社、実証実験も進行中で、JR西日本では2023年から大阪駅・新大阪駅で顔認証改札の実証を開始し、2026年には新タイプも導入。これは筆者も体験させてもらったが、何もアクションすることなく通れるのはまるで「魔法」のようだった。
※参照:Suica終焉へのカウントダウンが始まった…「改札でタッチ」を時代遅れにする"次世代の改札機"の正体
JR東日本も、2025年に上越新幹線の新潟駅と長岡駅で顔認証改札の実証実験を実施した。
改札を通るには、顔さえあればいい。これぞ「究極の手ぶら改札」かもしれない。しかし、ここには日本の鉄道ならではの厄介な問題がある。ひとつが、「顔の登録に抵抗がある」という問題だ。

