眠れない夜は、どうすればいいのか。精神科医で起業家の物部真一郎さんは「午後遅い時間のカフェインは、『効いている気がしない』レベルでも、眠るまでの時間を延ばし、夜中に目が覚める回数を増やし、睡眠の質を確実に下げる。カフェインを摂る時間を見直すだけで寝つきが目に見えて変わる」という――。

※本稿は、物部真一郎『最新科学でわかった! 気分のいい人がうまくいく』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

ブラックテーブルにコーヒー
写真=iStock.com/AtlasStudio
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精神科医が眠れない患者に伝えていること

身体が気分をつくるなら、その身体が最も静かになる時間、つまり夜にも、同じ話が当てはまります。睡眠の話に移ります。

私は、眠れない日がとてもつらく、気分が落ち込みます。眠れなかった翌日もつらいのですが、それ以上に、ベッドの中で眠れていない時間がつらいのです。10分が1時間のように感じられ、眠れない時間が、無限のように思えてしまう。

こんな日は、「今日は絶対に寝ないぞ」と頭で決め込んでいると、知らないあいだに眠っています。「眠ろうとする努力」そのものが、「寝なければ」というプレッシャーになり、かえって眠気を遠ざけます。

だから「まあ今日は起きておくか」と考えるようにします。これを臨床の世界では、「逆説志向療法」と呼びます(※1)。逆説志向療法は、自分一人でも応用できます。

医師として患者さんにお伝えするときは、「今日はできるだけ長く起きていてください」と指示するだけです。布団の中で、目を開けて、眠らないように努力してもらう。眠ろうとするのをやめる、というより、得たい結果と反対のことを、積極的に目指してもらうわけです。

※1 Jansson-Fröjmark, M., Alfonsson, S., Bohman, B., Rozental, A., & Norell-Clarke, A. (2022). Paradoxical intention for insomnia: A systematic review and meta-analysis. Journal of Sleep Research, 31(2), e13464.