「マスク主義は21世紀のOSである」。冒頭から刺激的な、しかし確かにそうだろうと頷かざるをえない一文に、グッと引き込まれてしまった。
「マスクとは何者か?」「どのような背景からあのような人間が出現したのか?」と、我々はイーロン・マスクを一個人として捉え、それぞれに批判や崇拝など好悪の感情を抱く。しかし本書の著者であるスロボディアン(ボストン大学教授)とターノフ(テックライター)の二人は、「マスクとは何者か?」ではなく「マスクとは何の徴候なのだろうか?」を問うほうが有効ではないかと考える。
そう、マスク主義(マスキズム)とはマスク個人のスタンスではなく、もはや現在の世界を覆うムードそのものではないのか。我々はマスクという強烈な影響者(インフルエンサー)とマスキズムとを、独立した個の事象としてよりも、21世紀における顕著な進歩と何らかの後退を如実に代表する象徴として捉えるべきではないのだろうか。
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