「マスク主義は21世紀のOSである」。冒頭から刺激的な、しかし確かにそうだろうと頷かざるをえない一文に、グッと引き込まれてしまった。

『マスキズム 新たな独占の時代』クィン・スロボディアン、ベン・ターノフ 著
マスキズム 新たな独占の時代
クィン・スロボディアン、ベン・ターノフ 著
飛鳥新社/2000円+税

「マスクとは何者か?」「どのような背景からあのような人間が出現したのか?」と、我々はイーロン・マスクを一個人として捉え、それぞれに批判や崇拝など好悪の感情を抱く。しかし本書の著者であるスロボディアン(ボストン大学教授)とターノフ(テックライター)の二人は、「マスクとは何者か?」ではなく「マスクとは何の徴候なのだろうか?」を問うほうが有効ではないかと考える。

そう、マスク主義(マスキズム)とはマスク個人のスタンスではなく、もはや現在の世界を覆うムードそのものではないのか。我々はマスクという強烈な影響者(インフルエンサー)とマスキズムとを、独立した個の事象としてよりも、21世紀における顕著な進歩と何らかの後退を如実に代表する象徴として捉えるべきではないのだろうか。

(イラストレーション=保光敏将)
プレジデントオンラインをGoogleに優先表示

検索時に関連する記事が表示されます

【関連記事】
作者も結末を知らないからこそ読みたくなる物語とは?…村上春樹『夏帆』、冨樫義博『HUNTER ×HUNTER 39』
河崎環評 石戸諭著『「嫌われ者」の正体 日本のトリックスター』
読者4366人調査◎8割超が「5年前より覚えにくい」…「脳の衰え」実感ランキング&セルフチェック
77歳デビュー。年の功が生きるプレイリストを作成 大好きな映画と読書で「英語脳」を磨く…91歳DJの「頭の使い方」
アルバイトをしながら73歳で勉強を開始…なぜ忘れかけた解答を試験中に思い出せたのか?78歳行政書士の「頭の使い方」