今年7月、2つの作品が全国書店の一番目立つところを占めた。村上春樹の『夏帆』と、冨樫義博の『HUNTER×HUNTER 39』である。一緒に購入し、一気に読んだ。どちらの作家も全作品を読了しているが、同時に読んで気づいたことがある。

書影
夏帆 The Tale of KAHO
村上春樹 著
新潮社/2600円+税
HUNTER×HUNTER 39
冨樫義博 著
集英社/520円+税

そっくりなのだ。

読者が気づくかどうかわからない小さな比喩や設定をいくつも作品にちりばめ、物語が進むうちにそれらが、時限爆弾のように爆発する。サブキャラクターが思わぬ動きをして、物語全体に大きな影響を及ぼす。著者の仕掛けが作品世界を巨大化していくそのプロセスが。

(イラストレーション=保光敏将)