11月3日、アメリカで中間選挙が行われる。第2次トランプ政権に対する事実上の信任投票となる。丸紅米国会社ワシントン事務所長の井上祐介さんは「米国民は既存政治へ不信感を抱いている。新たな改革、新たなリーダーを求める機運が高まっており、これまでの中間選挙とは違った動きがある」という――。
※本稿は、ポッドキャストで公開中の「【THE INSIGHT ~分析 世界の力学~】#09「裏切られ続けた20年」の先へ。アメリカの有権者は今、何を求めているのか」の一部を書き起こし、再編集したものです。
井上祐介(いのうえ・ゆうすけ)
丸紅米国会社ワシントン事務所長
投資銀行勤務等を経て、2010年から丸紅経済研究所。2016年から21年 ワシントン駐在。2021年から23年 経済調査チーム長。2024年からワシントン駐在。東京大学経済学部卒、米国コロンビア大学経営大学院MBA。
丸紅米国会社ワシントン事務所長
投資銀行勤務等を経て、2010年から丸紅経済研究所。2016年から21年 ワシントン駐在。2021年から23年 経済調査チーム長。2024年からワシントン駐在。東京大学経済学部卒、米国コロンビア大学経営大学院MBA。
民主党が勝つとは言い切れない
――現時点で中間選挙の情勢はどうでしょうか。
【井上】一般的には民主党が善戦するだろうという見方が強いです。アメリカの中間選挙は、歴史的に大統領の所属する党が敗北する傾向があり、過去5回の中間選挙でも同様でした。
とはいえ、民主党が圧勝するのかというと、そこはかなり見方が分かれるところで、共和党が善戦するであろうと言えるいくつかの要素があります。
ひとつは、トランプ政権が発足してから共和党議員が有利な形になるように選挙区の区割り変更を行ってきたことが挙げられます。いわゆる「ゲリマンダー」です。
この区割り変更により約10の選挙区で、共和党に有利になってきていると言われています。
選挙資金も挙げられます。この選挙にかけられる資金を見ると、共和党がだいたい2.8億ドル、民主党が1.4億ドルと言われています。共和党の方が約2倍の資金があり、選挙資金という面では有利と言えます。
そもそも民主党はバイデン政権以降の不人気が改善していません。新たなリーダーも見えないですし、これからどういった国家を目指していくのかという政策の中身もなかなか明らかになってこないので、民主党に対する支持も上がってこない。
以上の3つの要因が、今回の選挙の行方を難しくしていると考えています。

