保険料の値上げが続くなか、何を見直せば家計はラクになるのか。目先の負担を減らそうと補償を削ると、災害時に多額の出費を抱えかねない。家を失っても住宅ローンは残り、公的支援だけでは再建費用を賄えないこともある。消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんが「削っていい保険、いけない保険」を見分ける判断基準を解説する――。
大雨
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家を失ってもローンは残る

不動産とはよく言ったもので、万が一の時でも抱えて逃げるわけにはいかない。そう、我が家のことだ。

2026年7月28日には熊本地震が、8月は千葉県をはじめ、全国各地で記録的大雨による浸水被害が相次いだ。

熊本地震による住宅被害は7万4498棟、千葉豪雨では6258棟、そして9月21日には台風25号による豪雨被害が関東を襲った。土砂災害によって住宅が破壊され、住人が巻き込まれる痛ましい犠牲が出てしまった。被害を受けた住宅は2319棟にのぼる(10月2日現在)。そして9月21日には台風25号による豪雨被害が関東を襲った。土砂災害によって住宅が破壊され、住人が巻き込まれる痛ましい犠牲が出てしまった。

生活の基盤であるはずの住まいが被害を受けると、復旧のために多額の費用がかかる。家本体にとどまらず、家具や家電が使えなくなれば、その買い替え費用も発生する。おまけに、まだ住宅ローンの返済中というケースもあるだろう。

甚大な被害をもたらす自然災害は、いつどこで起きるかわからない。我が家を守るためには平時からの備えが必要だ。その一つが、損害を補償する保険への加入だが、火災保険の保険料は上昇しており、この先もさらに上がっていく予想だ。それには深刻な理由がある。

公的支援だけでは家を建て直せない

自然災害のリスクに備えるために火災保険や地震保険があるが、それは自宅の損害は原則「自助」で対応するしかないからだ。予測できない大震災や大規模な水害で家を失っても、国が公費で補償してくれることはない。先に書いたように、家は不動産であり、あくまで個人的な資産だからだ。

公的な被災者生活再建支援制度もあるが、支援金は最大で300万円まで、しかもこの額は全壊した住宅を再建あるいは購入する場合だ。中規模半壊では補修で50万円、建設・購入で100万円しか出ない(単身世帯の支給額は、それぞれ4分の3)。建築資材高騰の昨今、100万~300万円で新しい家が買えるはずもなく、見舞金と思うしかないだろう。

なお、この制度は10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村など、一定の要件を満たす地域が対象なので、被害状況によっては制度が使えないこともありうる。いずれにしろ、公的支援には限界があり、自助としての対策が欠かせないわけだ。