しかし、住まいの損害はそうはいかない。水災で言えば、土砂災害・土砂崩れや外水氾濫による建物被害は約210万円、内水氾濫で約180万円、それに加えて家財の損害も約150~170万円にのぼる(数字は加重平均。日本損害保険協会「水災の備えに関する意識調査報告書」より)。
さらに、もし住宅ローンの返済が数千万円残っていたとしても、それが帳消しにはならない。家財一式を新たに買い替えるにもかなりの出費がかかるだろう。万が一に備えるというのはそういうことだ。
自分では払いきれない損害をカバーする保険は、むやみに削ってはいけない。今後の値上げは気がかりだが、暮らしを守るための防災コストと捉え、適切な保険金額をかけておきたい。
そのためには、毎月の固定費を洗い出し、優先順位をつけてみるといいだろう。動画配信などサブスクの会費やジムや習い事など、最近あまり稼働していないものから見直してはどうか。生活を守るお金と天秤にかけた時、どちらを優先するべきかは明らかだ。
割安な家ほど立地を確かめる
そもそも大事なのは、自分が住む地域にどんなリスクがあるのか知っておくことだ。今後マイホームを買ったり、住み替えを考えたりするなら、物件価格だけでなく、どんな立地でどんな災害リスクがあるかも調べておきたい。
特に、これから新築住宅を購入予定なら制度の変更にも注意が必要だ。2028年入居分から、災害レッドゾーンにある新築住宅は住宅ローン減税の適用対象外となるからだ(建替え・既存住宅・リフォームは適用される)。
災害レッドゾーンとは、災害危険区域、土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域などで、そういう物件をあえて選ぶ人はいないと思うが…。災害リスクを考慮せず「お買い得物件だ」と飛びついたはいいが、火災保険料が高くついたり、浸水対策にお金をかけたりと、かえって出費がかさむこともある。
他より安いモノに出合ったら、「なぜそれは安いのか?」とまず疑ってみる人が、いい買い物をする人なのだ。
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