「駅名」にお金がかかるブランド街
首都圏の住宅価格が高騰するなか、渋谷へ通勤する共働き世帯が7000万~8000万円の予算を用意しても、希望どおりの家を選べるとは限りません。渋谷30分圏には二子玉川、武蔵小杉、たまプラーザ、吉祥寺など誰もが知る街が並びますが、この場合、予算の大半をその駅名に使うことになり、広さ、築年数、駅距離のどれかを諦める場面が増えます。
一方、同じ30分圏でも駅を変えれば、住宅の購入総額は数千万円単位で変わります。ただ、安ければコスパがよいとは限りません。前回の新宿編に引き続き、6つの指標を設定して駅を横並びにし、「マンションならどこか」「戸建てならどこか」までを考えてみました。
※「新宿まで30分」は同じでも、住宅価格は3000万円違う…住宅コンサルが分析した「最強コスパのブランド沿線」
なお、本稿の「30分圏」は、平日の朝では待ち時間や混雑によって所要時間が長くなる場合がありますが、日中のダイヤを中心とした乗車時間がおおむね30分前後の駅を指します。
マンションか戸建てかで評価は変わる
住まい選びでは、通勤時間が同じなら住み心地も同じだと思いがちです。しかし、実際の30分には大きな差があります。始発駅から座って30分なのか、混雑した電車に立って30分なのかという違いがあります。朝の列車種別、待ち時間、始発の有無、混雑、遅延時の代替経路、渋谷駅に着いてから勤務先までの動線を含めての評価が必要です。
また、駅前で日常の用事が完結するのか、帰宅後に買い物などでさらに車や自転車が必要なのかという違いもあります。
こうした違いは物件価格には直接表示されませんが、購入後は毎日積み重なります。だからこそ、時間と価格だけでなく、通勤の質や生活動線まで含めて比較する必要があります。
また、今回はマンションと戸建てを分けて考えてみました。マンションは駅からの距離、建物管理、売却時の流通量が重要で、駅力の影響を受けやすいです。戸建ては土地の広さ、接道、用途地域、建物の維持費が総額を左右します。同じ駅でも、マンション向きの駅と戸建て向きの駅は必ずしも一致しません。「渋谷30分圏のコスパ1位」を一つだけ決めるより、住まい方ごとに答えを出すほうが、実際の購入判断に役立つと考えました。

