同じ30分圏でも戸建ては2倍近い差
戸建てでは土地価格が購入総額を左右します(図表4)。井の頭線は渋谷直通で低層住宅地も多く、戸建てとの相性はよいです。しかし、渋谷30分圏だから安いわけではありません。予算内に収めるには、土地を20~25坪にする、駅徒歩を延ばす、旗竿地や3階建て、中古戸建てを許容するといった調整が必要になります。
井の頭線の中でバランスが良いのは三鷹台です。急行は通過するものの各停でも渋谷まで25〜30分程度で着き、吉祥寺や井の頭公園を日常の生活圏にできる低層住宅地としての満足感も高いです。
通勤実用性なら朝に始発列車がある富士見ヶ丘、速さなら急行停車の久我山にも魅力があります。ただし、7000万~8000万円の予算で広さまで求めると、いずれも条件調整が避けられません。
始発駅で副都心線と有楽町線が使える
取得総額と広さを優先すれば和光市が一歩抜けています。土地建物の総額は4880万~7000万円、副都心線で渋谷へ約30分で直通し、有楽町線も使え、始発列車を選べます。駅から距離を取れば、井の頭線より広い土地と建物を確保しながら、予算に余力を残しやすいです。街のブランドや低層住宅地の雰囲気では井の頭線に譲りますが、戸建てを買う目的が「家族のための広さ」なら、この差は大きいです。
和光市のもう一つの強みは、渋谷だけに通勤先を固定しなくてもよいことです。副都心線は新宿三丁目、池袋方面、有楽町線は飯田橋、有楽町方面へ向かいます。夫婦の勤務先が異なる場合や、将来の転職・異動を考えれば、複数の都心方向へ乗り換えなしで動けることは大きな保険になります。始発列車を利用できれば、所要時間が数分長くても、座って仕事や読書に使える可能性があります。
もちろん、和光市にも条件はあります。駅近の整った土地は安くなく、価格を抑えるほど駅までの所要時間が長くなる場合があります。戸建てでは道路幅員や高低差、土地形状によって建築費も変わるため、広告の総額だけで決めてはいけません。それでも、同じ7000万~8000万円で、井の頭線では土地の狭さを受け入れる場面が多いのに対し、和光市では土地と建物の広さを優先できる余地が残ります。

