二子玉の新築戸建ては1.4億円

まず、有名駅(ブランド駅)の現実を図表1で確認します。

二子玉川は渋谷への近さと駅前商業、武蔵小杉は複数路線、たまプラーザは街並みと子育て環境、吉祥寺は街の知名度と中央線・井の頭線の二面性が強いです。どの駅にも高い価格を支払う理由はあります。しかし、その価値を実際に使わない世帯までブランド料を負担する必要はありません。

戸建ての掲載例を総額で見ると、二子玉川駅徒歩7分の新築戸建ては1億4400万円、吉祥寺徒歩20分・三鷹台徒歩6分の新築戸建てでも8880万円でした。一方、吉祥寺をバス利用に切り替えれば6680万円で広い土地を確保できる例があります。同じ駅名でも徒歩かバスかで、買える家は別物になります。

二子玉川の価格には、渋谷への近さだけでなく、駅前で買い物や外食を完結できる利便性、多摩川の自然環境、街の知名度が含まれています。武蔵小杉では、渋谷だけでなく新宿、品川、東京、横浜方面へ移動できる複数路線が価格を支えます。勤務先が変わっても対応しやすいことは、共働き世帯には確かな利点です。

たまプラーザは、計画的に整備された街並みとファミリー層からの支持が強いです。二子玉川より渋谷から離れる分、7000万~8000万円台でも選択肢を探しやすいですが、駅近や築浅に絞れば価格は上がります。吉祥寺も同様で、駅徒歩にこだわると予算が急に厳しくなります。つまり、ブランド駅は一律に「割高」なのではありません。利便性や安心感を頻繁に使う家庭には合理性がありますが、渋谷通勤だけが目的なら支払い過ぎになる可能性があります。

【図表1】渋谷30分圏の「ブランド駅」
筆者作成

価格だけで決めない6つの独自基準

駅のコスパは、最安値だけでは測れません。今回も次の6項目で評価します(図表2)。星は統計を機械的に点数化したものではなく、公開データと住宅購入相談の経験を基にした筆者独自の評価です。

【図表2】コスパ評価の6基準
筆者作成

この中で特に注意したいのが「家計評価」と「沿線の格」の関係です。沿線の格が高い駅は、一般に売却需要が強く、街への満足感も得やすいです。一方で、その評価は購入時点の価格にすでに織り込まれています。

資産性が高いから高額でもよいと考えるのではなく、上乗せされた金額を将来の売却時にどこまで回収できるか、毎月の返済負担に耐えられるかを分けて考えるべきです。