炎上を恐れない男が会社を辞めて困ったこと
約20年に及ぶ会社員人生にピリオドを打ってから7年が過ぎました。会社員時代も同じでしたが、今も自分のやりたいことをやって暮らしています。
1975年、石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。99年にNTTデータへ入社。リクルート、ライブドア、LINEなどを経て、2018年からスタートトゥデイ(現ZOZO)コミュニケーションデザイン室長。19年末にZOZOを退社し、現在はオンラインサロン「田端大学 投資学部」塾長。
現在の職業は、アクティビスト投資家です。値上がりしそうな会社の株をただ買うのではなく、自分が関わったり問題提起をしたりすることで良くなると考えた会社に投資をしています。投資をするからには、株主として経営陣と話し、株主総会で提案することもある。それで会社が良くなって株価が上がれば自分にもリターンがあります。
投資の利益には波があって、毎日小銭が入ってくるものではありません。日々の生活の糧は、YouTubeの株ライブです。証券会社やFX会社がスポンサーに付いて、事務所の家賃などはこちらの収入で賄っています。
退職して最も変わったのは自由度でしょうか。会社員時代も、最後の5年はめちゃくちゃ人に恵まれて自由にやらせてもらっていました。でも、今のほうがより自由です。
わかりやすいのは、炎上しても人に謝罪する必要がなくなったこと。僕は言いたいことを遠慮なく言う性格ですから、会社員時代からちょくちょく炎上していました。すると、上場企業は社外に対して「厳重注意します」と広報せざるをえない。発言を訂正するかどうかはともかく、「余計な仕事を増やして迷惑をかけました」と頭を下げるのが組織人としての最低限のマナーでしょう。今はそうやって辻褄合わせをする必要がなくなりました。そのかわりリスクを引き受けるのはすべて自分で、番組が飛んだりしますけどね(笑)。
そんなことより、辞めて本当に困ったのは住宅ローンですよ。不動産投資をしたくても、融資をなかなか引き受けてもらえない。仲の良い不動産屋は「YouTuberは最悪。いつ炎上して仕事がなくなるかわからない」と言っていましたが、本当にその通りでした。
幸い、僕は現物で長期保有するつもりの株がありました。それを証券会社の担保に入れてお金を借りています。住宅ローンは会社員の特権だったんだと痛感しています。
自由のない独立よりも自由ある会社員であれ
もともと定年まで勤めあげる未来は想定していませんでした。組織の中で偉くなりたいと思ったことがないんです。僕は基本、他人に興味がない。出世して部下が増えたら、興味を持たなくてはいけない人数が増えてしまう。それはごめんだなと。
そういう意味では、起業して会社をデカくすることにも興味は持てなかったですね。社員を大勢抱えていたら、「飽きたので辞めるわ」って言えないじゃないですか。
自由にやりたいけど、社員や出資者に不義理なことをしたくない。なので若い頃はプロフェッショナルなフリーランスがいいなと考えていました。具体的に何のプロかというと、メディアのマネタイズです。僕が大学を出て最初に就職したのはNTTデータでした。システムの営業を2年やった後にリクルートに転職。そこで「R25」というフリーマガジンを立ち上げたことが転機になりました。
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