鷺沼は新築で6190万円、中古で4223万円

中古マンションは、LIFULL HOME'S「70平方メートルの場合」の月次集計値を基に、渋谷30分圏から選んだ8駅を2026年9月1日更新値で統一して比較しました(図表3)。

綱島・新綱島については、隣接する2駅を一体の生活圏として評価し、価格には綱島駅の70平方メートル換算相場を使用しています。駅徒歩、築年数、階数などで個別価格は変わりますが、更新時点と算出条件をそろえることで駅間の差は見えやすくなります。

ただし、この「70平方メートル中古参考相場」は、駅周辺にある築年数や駅距離の異なる中古物件を平均化した数字です。予算7000万~8000万円で駅近・築浅の物件を探す場合、実際の購入価格はこれより高くなります。

たとえば鷺沼では、新築マンションが70平方メートル台で6190万円程度から販売されている例があり、駅近・築浅を条件にすると、この参考価格より数割高い水準になります。つまり本表は「駅としての価格水準」を比べる基準であり、「7000万~8000万円でどこまで駅近・築浅に近づけるか」は駅ごとに別途確認が必要です。

【図表3】渋谷30分圏のコスパ比較(マンション編)
筆者作成

「駅前」で完結できる武蔵浦和

価格だけを見ると、鷺沼の4223万円が最も低く、戸田公園の4235万円が12万円差で続きます。武蔵浦和も4629万円と比較的抑えられていますが、埼京線は朝のピーク時の車内混雑が大きく、遅延や運転間隔の乱れが起きた際には所要時間を読みづらくなります。

とくに武蔵浦和・戸田公園から渋谷方面へ通う場合、毎日の移動を「乗車時間30分」だけで評価することはできません。混雑した状態で立ち続ける身体的な負担や、混雑時の車内環境、通勤・通学時の安心感まで含めて家族で確認すべきです。購入価格だけでなく、通勤品質とのバランスを見落としてはいけません。

武蔵浦和はJR武蔵野線の乗り換え駅でもあり、駅前再開発によって商業施設、公共施設、マンションがまとまっています。8駅の中では4629万円で、最安の鷺沼より406万円高いものの、駅前生活の完成度を重視する家庭には有力な選択肢です。

戸田公園は4235万円で鷺沼とほぼ同水準です。荒川沿いの開放感やファミリー向け住宅の選びやすさがありますが、駅前の商業集積や列車の停車条件では武蔵浦和に譲ります。価格を優先するなら戸田公園、駅前機能まで含めるなら武蔵浦和という違いがあります。