※本稿は、堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
勝率を上げる投資の3つの鉄則
投資とは、社会にお金を提供し、経済活動に参加することだ。あなたが投資したお金は資本というかたちで社会発展のために働く。投資とは、働かずして稼ぐ手段ではない。あなたが働いて稼いだお金を働かせる行為だ。
そして投資に絶対はない。どんな専門家だろうが学者だろうが先のことはだれにもわからない。1年後、金融ショックが起きるかもしれない。5年後、あらたなパンデミックが発生するかもしれない。すると株価は混乱し、企業の勢力図も変わるだろう。
だから投資においてはやれることをやり、勝算をできるだけ高めておくことしかできない。ただ、幸いにもそのためのポイントは論理的に定まっている。
ポイントは3つ。〈長期運用〉〈分散投資〉〈低コスト〉だ。それらをすべて押さえ、お金が気持ちよく働いてくれる環境をつくろう。あなたがやるべきことはそれだけだ。この3つについて簡単に説明していく。
資産が雪だるま式に増えていく
まず〈長期運用〉だ。投資は長期運用のほうが良好な成果を得られやすい。資本主義経済は拡大再生産する仕組みだ。だから理論上、経済は長期的には確実に成長する。とうぜん株価もそれにともない上昇するはずだ。明日の値動きにも、1年後の値動きにも大した意味はない。お金に余力のある範囲で10年、20年と継続して投資していくのがベストだ。
さらに長期運用にはもうひとつ大きなメリットがある。それは複利の効果を存分にいかせるという点だ。複利とは、発生した利子をそのつど元本に組み入れ、その増えた元本に対してまた利子がつくことをいう(元本のみに利子がつくのは単利という)。
債券や一部の投資信託を除いて、投資にはこの複利が適用される。運用利益が投資元本に組み入れられることで、資産が雪だるま式に増えていくのだ。ようするに利益が利益を生む。株価変動を考慮しない単純計算の場合だが、運用期間が長ければ長いほど、複利のもたらす儲けはとうぜん大きくなる。
投資において時間は最大の支援者だ。お金が働くための時間をたくさん用意しよう。