投資で勝つためには「死者のマインド」を持て

秘密鍵に不具合があったから私はイーサリアムを売らずにすんだ。そして価格変動についても気にせずにすんだ。かたや、もし秘密鍵が正常だったら3000万円の時点で利益確定していた。そしてその後さらに値上がりするのを見て舌打ちしただろう。

つまり、いくら値上がりしても売らなかった(売れなかった)からこそ、結果的に2億5000万円になるまでホールドできたのだ。

繰り返すが、投資は長期で臨むのがベストだ。その途中、値上がりしようと値下がりしようと安易に売るべきではない。すなわち、値動きに反応してはいけない。そしてそれを完全にまっとうできるのが死者だ。投資の勝算を最大限に高めるための究極の秘訣は、いわばそうした死者のマインドを持つことなのだ。

株価が上昇したから売って利益確定しよう。株価が下落したから売って損切りしよう。そんな短期売買を繰り返して資産を増やすのはきわめて難しい。あなたが会社で大出世するより難しいだろう。そもそもそれは投資というより投機だ。投機はその筋のプロであっても簡単には勝てない。まして初心者ならなおさらだ。勝ち目はゼロだ。

動じない心を持った人が最後に勝てる

投資では死者のように何事にも左右されず、淡々と継続できる人が最後に果実を得る。つまり感情をからめない人が最強だ。とはいえ、私たちは死者ではない。生きているかぎり感情がある。そしてその感情を問答無用で刺激してくるのがお金である。自分の年収と世間一般の平均年収をみんなやたら比べたがるのは優劣の感情がうずくからだ。大金を得るとだれだって気が大きくなるのも同じ理由である。

堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)
堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)

自分が持つ株式が値上がりすればうれしい。逆に値下がりすれば悲しい。その感情を排除することはできない。しかし感情は感情として、判断や行動から切り離すことはできるはずだ。つとめて理性を働かせるのである。

人生においてお金はあくまでも手段だ。目的ではない。投資でお金を増やすことがあなたの人生の目的ではないだろう。投資はゼロサムゲームではない。競争でもない。儲かるときはそこにいるみんなが儲かる。その逆もしかりだ。それだけの話である。

お金はしょせんお金。それより大切なのはあなたの人生のテーマである。それに打ち込んでほしい。「いま」ではなく「未来」を見よう。

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