健康寿命を延ばすためには、毎日の食事をどう工夫したらいいか。老年科専門医で、名古屋学芸大学教授の下方浩史さんは「フルーツは血管の老化を防ぎ、高血圧の予防にも役立つ。糖尿病のもとになると敬遠する人もいるが、それは大きな誤解だ」という――。(第2回)
※本稿は、下方浩史『90歳まで健康長寿』(文春新書)の一部を再編集したものです。
1日100gの果物が血管を守る
近年、日本人のフルーツの摂取量が落ちています。値段の高騰や皮を剥くのが面倒になったなど、その理由は様々です。
しかしながら、フルーツには、血管をしなやかに保つ効果や老化防止、水分補給など、高齢者にとってもたらされる様々な恩恵があります。
フルーツには体内の余分な塩分を排出するカリウムが多く含まれています。そのため、高血圧症の予防のためにも野菜と同様にフルーツを摂ったほうがいいのです。また、フルーツには食物繊維が多く含まれているので、腸内環境が改善され、便秘の解消につながります。
その上、フルーツから摂れるビタミンは抗酸化力が強い。そのため、免疫力の向上やがん予防にもつながります。そして、なんといっても動脈硬化の予防など、しなやかな血管を作るために欠かせない栄養素がたくさん入っているのです。
まずは1日に食べるべきフルーツの量から考えてみましょう。厚労省が始めた国民健康づくり運動「健康日本21」では、フルーツの摂取目標量を1日200g(可食部)としています。ただこの数字はシニアにはハードルが高いのも事実。そこで参考にしたいのが、WHOの基準です。そこでは、野菜とフルーツを合わせて1日に400gの摂取が推奨されています。
これをシニアにちょうど良いバランスで考えると、野菜が300gで、果物が100gほどでしょう。みかんなら1個が約100g。りんごの場合なら1個が約200gなので、半分が目安となります。

