【ホワイトニングセラミック】再現度と強度向上普及進むジルコニア素材
審美歯科に「見た目をきれいにする歯科」というイメージを抱いている方は多いと思います。歯をきれいにしたいという希望をお持ちの患者さんも数多くいらっしゃいます。なぜ歯の見た目が悪いと感じるのでしょうか。見た目に関わる要素として、歯の色・形・歯並び、そして歯茎の色・形などがあげられます。1つのこともあれば、2つ以上の要因が複合している場合もあります。その問題を取り除き、改善を行うのが審美歯科です。
審美歯科の特徴は、保険診療ではないこと。ただ、保険診療のほうに審美的な要素がないわけではありません。例えば審美歯科では歯の形を治す際にレジン材料を接着したり、歯に被せものをする場合があります。虫歯治療で歯に欠損が生じたときにも行われ、使用する素材に違いはありますが技術としては似通っています。歯科医師の経験や技量次第では審美的な技術を応用してきれいに仕上げることは可能です。
審美歯科の治療を具体的に紹介していきましょう。歯の色をきれいにしたい場合、真っ先に検討されるのがホワイトニング。薬剤を使う治療で、全体的に歯が黄ばんでいたり、部分的に色が悪くて他の歯になじんでいないときなどに選ばれます。ただ、基本的には歯のエナメル質が健全に保たれている天然歯に対する治療であり、人工物の色調は変えられません。また重度の変色やエナメル質そのものに形成不全などがある場合にもホワイトニングでは改善できないことがあります。
オフィスホワイトニングは歯科医院で歯科医師や歯科衛生士によって行われるもので、使用する薬剤の濃度が高く、1〜数回で効果が出ます。すぐに白くしたい方にはおすすめです。やや後戻りしやすい点や、知覚過敏などの症状が出やすいことがデメリットです。
一方、ホームホワイトニングは専用のマウスピースを使用し、自宅で薬剤を作用させます。通常2〜4週の期間を要します。ゆっくり白くなるため、オフィスホワイトニングと比較して自然感のある白さで後戻りが少ないといえます。両方を組み合わせる(オフィスの後ホーム)と、それぞれのメリットを得ることができるのでおすすめです。
歯の形と色を同時に整えたいときの治療は、大きく修復治療と補綴治療の二つに分かれます。修復治療は一般的に、歯のエナメル質の多くが健全に保たれているときに選ばれ、審美歯科では、高機能のレジンを歯に直接接着して光で固めるダイレクトボンディングが主流です。修復治療では歯の切削量を最小限にできることが特徴です。
対する補綴治療では、歯のより多くの部分を人工材料に置き換えます。代表的なものはセラミッククラウンで、きれいにしたい歯にセラミック製の被せものを装着します。被せもののスペースを得るため、歯の外周を一層削り、歯を細くする必要があるので、歯の削除量は多くなります。ほかにも、前歯の表面だけを削ってセラミックを接着するラミネートベニアという治療法もあります。歯の表の面のみをセラミックに置き換えれば問題が解決できる場合に適応します。削る量はクラウンよりも抑えられます。
セラミッククラウンは一本10万〜20万円が相場です。自由診療なので価格は歯科医院次第ですが、価格に影響を与える要素がいくつかあります。都心のほうが高くなるという医院の立地の他に、審美歯科、補綴治療に特有の要素としては、歯科技工士の技術料や材料費があります。歯科医院では複数の歯科技工士と連携し、患者の要求の度合いによって依頼する歯科技工士を選ぶことがあります。審美的な要求が高い場合に、技術が高く実績のある技工士に依頼すると、そのぶん技術料も高くなるため医院での価格も高く設定されている傾向があります。
材料については、例えば中国や韓国などの海外の材料は比較的安い傾向がありますが、透過性等の機能重視の製品はやや高価です。これを踏まえると審美的な結果にこだわるのであれば、ある程度の費用がかかるのも事実です。
ただ、最近ではデジタル技術の普及も進んでいます。以前は歯科技工士が陶器を作るようにセラミックを盛って焼いていましたが、近年はジルコニアというブロックをCAD/CAMでデザインして機械的に削り出すケースが増え、人件費や技術コストが下がってきました。ジルコニアはセラミックの一種で、強度が強いのが特徴です。以前は色のバリエーションが少なく、天然の色調からほど遠い不自然な白さだったため、用途が限られていました。ところがジルコニアが進化して、天然歯の色のバリエーションや透明感を再現できるようになってきました。そこにデジタルを活用した加工が加わり、近年ではフルジルコニアのクラウンなどがだいぶ普及してきています。現在でもセラミックを築成する技術が必要となるケースもありますが、フルジルコニア普及の恩恵でコストはやや下がり、安定しているといえます。
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