東京23区内でもタワマンでもないのに資産価値が上昇しているマンションがある。なぜなのか。東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻の研究室による調査・分析で共通点がわかった――。
※本稿は、井崎義治『流山市はなぜ選ばれ続けるのか 共働き子育て世代が移住し、住民の93%が「住み続けたい」まち』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
「ここに住みたい」と思うまちの価値
アメリカで暮らしていた12年の間と市長に就任するまでのコンサルタント時代に、仕事で北米を中心に五大陸100都市を訪れました。この経験から、強く実感したことがあります。
それは、世界の多くの人が住みたいと望むまち、つまり住み続けたいと思う人気のまち、住宅地には、共通する条件があるということです。
その1つ目が「緑の多い良質な住環境」でした。
緑があることで景観価値が大きく向上し、環境価値も高める。私はこのことを実際に体験し、それがまちの価値を大きく左右することを理解することができました。
2つ目は、「快適で楽しい都市環境」です。この「快適で楽しい都市環境」というのは、市民が住むまちの中で憩い楽しみ、交流し、市外からも人が集まる賑わい空間もあるまちのことです。この2つの条件について、流山市が行ったことを紹介します。
緑の多い良質な住環境をつくる
かつての流山市の高台には森が広がっていました。
区画整理が進み、宅地が造成されると同時に緑がどんどん失われていきます。私が流山市に移り住んだときには、すでにTX(つくばエクスプレス)の開通に伴う沿線の区画整理によって、多くの森が伐採される計画になっていました。20世紀末には計画に従い、伐採が始まりました。市長に就任(2004年)してからも、この状況を止めることはできません。

