「余計なお金かかる」「維持管理が大変」
とはいえ、当初は市役所の職員や市民から、木々を植樹することに、「なぜ緑を増やすのか」「余計なお金がかかる」「維持管理が大変」といった反対の声もありました。
そこで、まずは職員たちに、緑を取り入れた都市開発の実例を実際に見てもらうことから始めました。
たとえば、緑視率の高い景観を特徴とするマンションを建設しているデベロッパー、大阪市のリバー産業の開発事例を視察し、緑が生い茂り、夏は涼しさを感じる緑陰空間を体感してもらいました。
緑豊かな景観がどれだけ人の暮らしを癒やしてくれるか。緑を取り入れることでまちの価値は上がる。実際に見て感じてもらうことで、職員たちにもその意義が伝わっていきました。
実際に資産価値が向上した
「グリーンチェーン認定制度」は2006年から本格的に始動しました。制度開始から最初の5年間は、普及のためにお願いにまわるところから始めましたが、今では多くの事業者が自主的にこの認定を取得してくださるようになり、市内のあちこちで緑豊かな景観が広がっています。
建物は年月とともに劣化していきますが、木々は時を重ねることで緑量が大きく成長していきます。現在では、グリーンチェーン認定制度を取得した戸建・集合住宅は1万戸を超え、流山の景観と環境価値を高めています。さらに、グリーンチェーン認定を取得した住宅地やマンションは、資産価値が上がる傾向にあることも分かりました。
2015年(平成27年)、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻浅見研究室が行った調査・分析では、流山市内の中古分譲マンションにおいて、グリーンチェーン認定を受けた物件は、そうでない物件に比べて、一戸あたり約494万円も高く取引されているという結果が出ました。
一方、グリーンチェーン認定に必要な整備費用は、一戸あたり約39万円。大きな投資効果が認められました。これらの数字は、グリーンチェーン認定制度が景観価値や環境価値を高めるだけでなく、確実に資産価値にも貢献していることを示しています。



