AIブームの象徴となった韓国市場
足元で、世界的なAI株相場が出現している。世界の大手投資家は、AI=人工知能の高い成長性に注目した。それに伴い、エヌビディア、グーグルの親会社アルファベット、マイクロソフト、メタなどの米国のAI銘柄を買い漁った。それによって、S&P500インデックスの時価総額のうち、30%近くを「マグニフィセント・セブン」が占めた。
それに続いて、AIに必要な大規模データセンターで使う、高性能半導体や電線など周辺部材の需要が大きく伸びることが注目された。そこで関心が行ったのは、有力半導体メーカーであるサムスンやSKハイニックスを抱える韓国市場や、キオクシアなどを擁する日本の株式市場だった。
特に、韓国株式市場の時価総額の約半分は、サムスンとSKハイニックスが占めている。言ってみれば、韓国株式市場は半導体の市況そのものと言ってもよいかもしれない。大手投資家の買いによって、同国の株式指標「KOSPI」の上昇は鮮明化した。海外の投資家に加えて、“アリ軍団”などと呼ばれる個人投資家も重要な役割を果たした。
「約半分」を握る2社が崩れると…
彼らは、SKハイニックスとサムスン電子、2つのAI銘柄を競うようにして買った。中には借金をして投資を行う人もいる。
それに引っ張られるように、キオクシアなどわが国のAI銘柄も上昇した。韓国でも日本のAI株を買う個人投資家は増えた。AI銘柄主導で韓国総合株価指数、日経平均株価の連動性は高まった。
その韓国株式市場はここ1週間、不安定な状況が続いている。7月13日にはSKハイニックスとサムスン電子が10%以上下落し、KOSPIは8.9%安を記録した。続く16日にも、半導体株への売りが再燃し、一時7,6%安となった。
世界経済にとって、中長期的にAIが果たす役割は増えている。ただ、AI相場の展開を冷静に見る必要があるだろう。いつまでも、AI銘柄による牽引で強気相場が続くとは考えづらい。
米国などでは金利上昇の懸念が高まった。金利が上昇して韓国でSKハイニックスなどの株価が調整されると、個人投資家は借金による投資を続けることが難しくなるだろう。その場合、韓国株の下落に引っ張られて日本株などが調整することも考えられる。そうした展開には十分な注意が必要だ。

