AI相場の「終わり」は韓国から始まる?
その場合、わが国の株価にも影響が及ぶことは避けられないはずだ。それだけに、韓国株の先行きは慎重に考えたほうがよい。
過去約3年間、AI銘柄への資金の過度な集中でKOSPIは3倍程度上昇した。過去の経験則で考えると、韓国でAI成長期待に影響された株式バブルが発生、膨張し、絶頂期を迎えつつあるかもしれない。
しかも、今回の韓国や日本株などの上昇は、一握りのAI銘柄主導だ。大手の投資家が、SKハイニックスやサムスン電子の株価上昇があまりに急とみて、保有株式を売却し始めることもありそうだ。そうなると、韓国の株式相場は急落することになるだろう。
それは、世界の主要な投資家に、AI相場がピークを迎えたとの危機感を与えることになる。一方、韓国個人投資家はレバレッジ投資の解消を急ぎ、日本株、台湾株、さらには米国株式にまで売り圧力が波及する恐れがある。
当然、日本も他人事では済まない
それに加え、世界的に金利上昇の懸念も高まっている。米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は、利下げではなく金融引き締めを重視しつつある。韓国の中央銀行も物価の安定、ウォン安の阻止のため、2023年1月以来3年半ぶりの利上げを決めた。
物価について、AI用のメモリーチップの値上がりが、インフレ懸念を高める(チップフレーション)との見方は増えた。経済の専門家の中には、AIの開発に必要な半導体、電力の価格上昇が、世界的に物価上昇圧力を高める(AIインフレーション)との見方もある。中東情勢も世界的な金利の動向に影響する。
AI相場の過熱感が高まる中、本格的な金利上昇は株価にマイナスに働くだろう。2022年から2023年にかけて、米国では金利が上昇し、当時注目されたITプラットフォーマーなどの株価下落が鮮明になった。
今すぐではないかもしれないが、AI相場の調整リスクは高まっているとみたほうがよい。
仮に、調整局面が訪れると、レバレッジ投資を行った韓国の個人投資家は厳しい状況に直面するだろう。それに伴い、日本、世界の株価に調整圧力がかかるリスクがあることは、頭のどこかに入れておいたほうがよいだろう。


