開発で失う緑を取り戻す
この状況下で何かできることはないかと考えて、取り組み始めたのが「グリーンチェーン(緑の連鎖)認定制度」です。
区画整理事業エリアの森や林を、そのまま残すことはできません。けれども、開発によって失う緑を少しでも取り戻すことは可能だと考えたのです。区画整理地に建物を建設する事業者に対して、建築・建設を行う際に沿道などの接道面に中・高木の植樹を中心とした緑地帯を設け、緑視率と緑被率を高めるようお願いすることにしました。
たとえば、それまでマンションの1階部分に目隠し程度の木々が植えられていたような場所に対し、グリーンチェーン認定を受ける場合は、建物の5〜6階まで届くような高木を植えたり、開発面積の一定割合を緑地にしたりするようにお願いする。
18年間で60万本を超える木を植えた
そうすることで、まちの景観に立体感と質感が生まれます。そして敷地内の植栽について、基準を満たした物件に対しては、「流山市グリーンチェーン認定書」が交付され、物件購入者は市内の金融機関から優遇金利を受けることができる制度です。
もちろん、グリーンチェーン認定制度は、他の条例同様に、行政が民間に強制できるものではありません。しかし、個々の事業者の判断にすべてを任せてしまえば、まちは方向性のない景観で埋め尽くされてしまいます。
共通の指標に基づいて、それぞれの開発が展開されることによって、まちに緑の連鎖(グリーンチェーン)が生まれ、まちの緑が周辺の森の緑とつながりあう豊かな環境が創造される。そうした都市のグリーンインフラの骨格をつくっていくことが、グリーンチェーン認定制度の狙いです。
この制度が導入される以前は、一戸建て住宅やマンションの開発でも、木が一本も植えられていない事例が少なくありませんでした。それが今では、協力してくださる企業が増え、18年間で官民あわせて60万本を超える木が植えられました。
夏の東京都心では、コンクリートに囲まれた歩道を歩いていると、暑さのあまり息苦しさを感じることもあります。そして気温は年々上昇しています。まちに緑が増えることは、ヒートアイランド現象の抑制にもつながるのです。

