※本稿は、野田知寛『仕事ができる人のアウトカム思考』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
ビジネスに不可欠な「3意識」と「4動作」
私たちがビジネスの現場で成果を上げるには、4つの基本動作――「聞く」「読む」「書く」「話す」――を適切に使い分けながら仕事を進める必要があります。しかし、これらの動作をただ機械的に行うだけでは、期待される水準には到達しません。行動の質を決定づけるのは、その背後にある3つの意識――「目的意識」「相手意識」「コスト意識」です。
3つのうち最も重要なのが、目的意識です。作業の目的や期待される成果が何なのかを理解していなければ、どれだけ丁寧に作業しても、望ましいアウトプットにはなりません。「何のためにこの作業を行うのか」を考えることが、すべての行動の出発点になります。
次に、相手意識が欠かせません。仕事は一人では完結しません。上司や先輩、お客様、チームメンバー――そのすべてが「相手」です。相手がどの情報を必要としているのか、どの程度の知識を持っているのか、どんな伝え方なら理解しやすいのか。その視点を保つことで、作業の精度が大きく変わります。
そして3つめが、コスト意識です。ここで言うコストは、時間や労力、上司の負担など、仕事の遂行にかかるあらゆる資源を指します。限られた時間の中で最適な方法を選び、生産性を高めるためには、常に「より効率よくできないか」を考える姿勢が求められます。
これら3つの意識は、4つの基本動作のどれとも切り離せないものです。
「基本動作×意識」が基礎をつくる
たとえば「聞く」場面では、「話し手の意図=目的」を理解し、「相手とのやり取りの効率」を高める必要があります。「読む」では、「必要な情報を見極める目的意識」と「信頼できる情報かどうかを判断する相手意識」が欠かせません。「書く」「話す」でも同様に、3つの意識が行動の質を左右します。
つまり、「基本動作×意識」の掛け合わせによって、初めてビジネスパーソンとしての仕事の基礎力が形づくられるのです。
ここからは、4つの基本動作のうち、最初の「聞く」について詳しく見ていきます。
結論から言えば、仕事の成否は、ほぼこの「聞く」で決まります。



