上司からの仕事の指示がよくわからないときはどうしたらいいのか。企業研修を手掛けるチェンジ社長の野田知寛氏は「指示がわからないこと自体は問題ない。ただ、わかりませんと聞き返すだけでは適格な返事は期待できない」という――。

※本稿は、野田知寛『仕事ができる人のアウトカム思考』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

部下に注意をしている上司
写真=iStock.com/koumaru
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ビジネスに不可欠な「3意識」と「4動作」

私たちがビジネスの現場で成果を上げるには、4つの基本動作――「聞く」「読む」「書く」「話す」――を適切に使い分けながら仕事を進める必要があります。しかし、これらの動作をただ機械的に行うだけでは、期待される水準には到達しません。行動の質を決定づけるのは、その背後にある3つの意識――「目的意識」「相手意識」「コスト意識」です。

3つのうち最も重要なのが、目的意識です。作業の目的や期待される成果が何なのかを理解していなければ、どれだけ丁寧に作業しても、望ましいアウトプットにはなりません。「何のためにこの作業を行うのか」を考えることが、すべての行動の出発点になります。

次に、相手意識が欠かせません。仕事は一人では完結しません。上司や先輩、お客様、チームメンバー――そのすべてが「相手」です。相手がどの情報を必要としているのか、どの程度の知識を持っているのか、どんな伝え方なら理解しやすいのか。その視点を保つことで、作業の精度が大きく変わります。

そして3つめが、コスト意識です。ここで言うコストは、時間や労力、上司の負担など、仕事の遂行にかかるあらゆる資源を指します。限られた時間の中で最適な方法を選び、生産性を高めるためには、常に「より効率よくできないか」を考える姿勢が求められます。

これら3つの意識は、4つの基本動作のどれとも切り離せないものです。

「基本動作×意識」が基礎をつくる

たとえば「聞く」場面では、「話し手の意図=目的」を理解し、「相手とのやり取りの効率」を高める必要があります。「読む」では、「必要な情報を見極める目的意識」と「信頼できる情報かどうかを判断する相手意識」が欠かせません。「書く」「話す」でも同様に、3つの意識が行動の質を左右します。

つまり、「基本動作×意識」の掛け合わせによって、初めてビジネスパーソンとしての仕事の基礎力が形づくられるのです。

【図表】4つの基本動作×3つの意識
出典=『仕事ができる人のアウトカム思考』(プレジデント社)

ここからは、4つの基本動作のうち、最初の「聞く」について詳しく見ていきます。

結論から言えば、仕事の成否は、ほぼこの「聞く」で決まります。