人気アイドルグループ・嵐が5月31日のラストコンサートで活動を終了する。神戸学院大学の鈴木洋仁准教授は「27年におよぶ活動のなかで、最も強いインパクトを与えたのは、7年前の『天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典』での歌唱だった」という――。
東京ドーム
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やっぱり「嵐」はスゴかった

この終わりは、大団円と呼ぶにふさわしい。連日、テレビCMなどで、私たちは、嵐の最後のライブ「We are ARASHI」の広告を目にしてきた。彼らは、1999年の結成から2020年末からの休止を経て、活動を終える。終了に向け、「国民的」と言える盛り上がりを見せてきた。

NHK紅白歌合戦の司会をグループとして5年連続で務めたほか、個人としても相葉雅紀さん、二宮和也さん、櫻井翔さんがそれぞれ担当している。「国民的」アイドルとしての人気と地位は、誰の目にも疑う余地がまったくない。

何より、平成から令和にかけての四半世紀以上にわたり、5人のうち誰ひとり欠けなかった。この歳月は、ソーシャルメディアの発達とともに、アイドルにとっては受難の時代でもあった。些細としか思えないきっかけでバッシングを受けたり、スキャンダル写真や動画が流出したり、長期にわたる活躍は、困難を極めている。

SMAPを例に挙げるまでもない。嵐と同じSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のアイドルを見ても、2003年にデビューしたNEWSは、活動を続けているものの、9人いた初期のメンバーのうち3人になっている。男性グループだけではない。嵐と同じ2000年代から2010年代にかけて市場を席巻したAKB48のメンバーは、めまぐるしく移り変わっている。

「国民祭典」で雅子さまが涙されたワケ

アイドルがブームとともに逆風にもさらされた中での活躍、それも長期間にわたってトップを走り続けてきた姿は、偉大というほかない。しかも、その仲の良い姿を、まるで何事もなかったかのように、いつもどこにいても、自然に見せてきた。とかく不仲説が取り沙汰されがちなアイドルグループにあって、その嘘偽りのない姿は、私たちの目印であり、その意味で「国民的」だったのではないか。

「国民的」という点で特筆に値するのは、令和へと代替わりした2019年11月9日に皇居前広場で開かれた、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」での歌唱である。嵐は、「奉祝曲」=お祝いの歌「Journey to Harmony」を披露した。二重橋に立って、その歌を聞かれていた皇后雅子さまが涙ぐまれたことでも、話題を集めた。

なぜ雅子さまは嵐の「奉祝曲」に涙を流されたのか。まさに、ここに嵐が「国民的」アイドルグループたる所以がある。その理由を探るためには、まず、この「奉祝曲」と、その歌い手との関係にさかのぼらなくてはならない。