年金の中には、申請しないともらえない年金がある。制度があることすら知らない人が多いのが「加給年金」だ。「老後のお金」をテーマに情報発信する社労士みなみさんの著書『知りたいことがぜんぶわかる! 定年前後のお金の超基本』(Gakken)より、一部を紹介する――。(第1回/全3回)
「家族手当」の年金バージョンがある
みやおチャ太郎
会社員(58歳)。子どもは独立し、パート勤務の妻と2人暮らし。定年が近づき、「退職金はどう受け取るのがいいのか」「年金だけで暮らせるのか」と気になることが増え、定年前後のお金に詳しいみなみ先生に相談することになった。
会社員(58歳)。子どもは独立し、パート勤務の妻と2人暮らし。定年が近づき、「退職金はどう受け取るのがいいのか」「年金だけで暮らせるのか」と気になることが増え、定年前後のお金に詳しいみなみ先生に相談することになった。
チャ太郎さん、夫婦世帯に限られますが、通常の年金にプラスしておよそ年約42万円も受け取れる年金があるのをご存じですか?
――初耳です! そんな仕組みがあるんですか?
「加給年金」という制度があります。会社員時代に「家族手当」をもらっていた人も多いと思いますが、加給年金はその年金バージョンと考えるとわかりやすいでしょう。家族を支えている世帯を国がサポートするという趣旨で設けられた制度です。
――年金にもそんな仕組みがあるんですね。
しかも、この年金は申請しないともらえないので、知らずに取りこぼしてしまう人が少なくありません。ここが非常に大事なポイントです。さらに注意してほしいのは、「ねんきん定期便」にはこの加給年金の情報が書かれていないということです。だからこそ、知っているかどうかが将来の受取額を大きく左右するんです。
加給年金をもらえる「2つの条件」
――そんな大事なことが「ねんきん定期便」には書いてないんですね……。どんな人が対象なんでしょうか?
実際、「そんな制度があったなんて」と驚く人が結構います。加給年金は、厚生年金や共済年金の加入期間が20年以上ある人が、一定の条件を満たす配偶者や子どもがいて、そのご家族がご本人によって生計を維持されている場合に支給されます。対象となる家族や収入の条件などは図表1をご覧ください。
――要件がいろいろあって複雑なような……。
少し複雑に見えますが、簡単にいえば、65歳未満の配偶者や成人していない子ども(18歳になった年度の3月31日までの子)がいて、配偶者や子どもの年収が850万円未満(※)であれば受給できます。
※子どもも制度上、年収の上限があり、障害のある子どもについては20歳未満が対象


