「医者が青くなる」秋の味覚の正体
穀物が収穫の時期を迎え、果物や芋類、きのこ、青魚など旬の食材が豊富な秋。中でも、今号では「果物」にフォーカスする。健康に美容に“最強の秋の果物”を紹介しよう(「答え」を考えながら読み進めてほしい)。
といっても、糖質が嫌厭される近頃では、果糖が含まれる果物を避ける人が多いかもしれない。
確かに果糖は糖質の一種で、摂りすぎると内臓脂肪の蓄積につながる。だが、甘味料である果糖ブドウ糖液糖などと違い、果物には糖質以外にもさまざまな栄養素が含まれる。それを丸ごと摂取できる果物を食べることは、心身にポジティブな影響があるのだ。
国立がん研究センターは国内の約9万5000人を対象に、果物と野菜の摂取量と死亡リスクとの関連を調べた。その結果、果物の摂取量が多いグループでは「全死亡リスクが約8〜9%、心臓血管死亡リスクが約9%低い」と報告している。特に「秋に果物を摂るメリット」について、管理栄養士の望月理恵子氏はこう説明する。
「最近では“秋バテ”などという表現もされますが、夏の紫外線ダメージや冷房疲れによってこの時期は体に疲労が溜まっている人が少なくありません。秋の果物は全般的にポリフェノールが多く、抗酸化作用が強いですから、疲れきった体をケアしてくれる良さがあります。また秋になると朝晩が冷え込み、血行不良も起きやすいです。ポリフェノールは冷えにより低下した末梢血流を改善する作用がありますから、毎日“秋の果物を一個”食べる習慣は、お勧めです」
さて、秋の果物といってもいろいろあるが、最強は――(はい、あなたの答えをどうぞ!)。
『ありがたい植物』(幻冬舎新書)など、数多くの植物に関する著書がある甲南大学名誉教授の田中修氏は「『◯◯が赤くなると、医者が青くなる』といわれる果物です」と、ヒントを挙げる。
「この果物がよく熟すると健康に良いので医者にかかる必要がなくなり、医者の顔色が悪くなるという意味です。また英語名は、『パーシモン』。この果物の英語名を知っていたら、英語の語彙力がかなり豊富と言えるでしょう」とも言う。
答えは、今が旬の「柿」である。柿は秋、いや一年を通しても健康と美容に最強といえるのだ。
なぜか。その秘密は強い抗酸化力。抗酸化作用といえば、ポリフェノールと同等にビタミンCが強力だ。ビタミンCは、細胞の酸化を防ぎ、コラーゲンの合成を助け、疲労感の回復、免疫力強化など多くの役割を担う。
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