業務に充実感があるのになぜ脳萎縮が進行したか

“脳の健康”を保ちたい。もちろんできれば認知症になりたくないし、いつまでも元気でいたい。だから脳に良いことをしたいと誰しもが思う。

だが明らかな脳疾患を除き、「脳が健康である」とは、つまりどのような状態なのか? 例えば体の重さに関しては、体重計に乗れば自分の体重の増減を数キロ単位で確かめられ、国際的な基準によるとBMI(体重キログラム÷身長メートル÷身長メートル)30以上が肥満である。同様に血圧も血圧計によって測定できる。けれども脳については「認知症か否か」といった見方しかなく、体重のキログラム、血圧のmmHgに値する測定単位がなかった。

それを開発したのが、安倍晋三首相時代の内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の研究グループだったという。中心的な役割を担った山川義徳氏(京都大学経営管理大学院特命教授)は「脳の状態をIQのようにわかりやすく、また血液検査のように多次元の数値として表現したいと考えました」と説明する。