明け方には1時間に約2度の急上昇

これが発売されるのはお盆の時期だが、今も寝苦しい日が続いているだろうか(現在は7月下旬で、夏本番を迎えたところである)。夏の睡眠、とりわけ最低気温が25度以上の熱帯夜で眠るためにポイントになるのは、「エアコンの使い方」だ。今号では数多くの睡眠実験を行う関西大学環境都市工学部の都築和代教授に取材した。「室内の温熱環境は、そこで寝る人の睡眠の質を大きく左右します」と都築氏も指摘する。

「体温調節に有効な環境であれば、良い睡眠が取れて健康的に暮らせますし、勉強や仕事のパフォーマンスも向上するでしょう。快適な環境をつくるためには、室内の温度と湿度を適切にコントロールする必要があります」

笹井 恵里子(ささい・えりこ)
笹井 恵里子(ささい・えりこ)
ノンフィクション作家、ジャーナリスト。「サンデー毎日」記者を経てフリーに。著書に『老けない最強食』(文春新書)、『国民健康保険料が高すぎる!保険料を下げる10のこと』(中公新書ラクレ)などがある。

読者の中には就寝後しばらくして切れるようにエアコンをタイマー設定している人も多いかもしれない。

しかし、就寝中は気流が直接体に当たらないように注意しながら、エアコンの「連続運転」が望ましいという。

その根拠となる都築氏が行った研究は3つある。

1つめは、実験室で「蒸し暑い環境」(室温32度・湿度80%)と「快適な環境」(室温26度・湿度50%)を再現し、それぞれ成人男性に8時間眠ってもらう研究だ。

「蒸し暑い環境では、快適な環境よりも発汗量が2倍になり、深い睡眠が少なく、途中で目が覚める時間が増えることが明らかになりました」

深い睡眠が少なくなるのは当たり前のように感じるが、その差は大きく、蒸し暑い環境は快適な環境と比べて、睡眠効率(就寝時間中に実際にどれだけ睡眠が取れていたかを表す指標)が20%も低い。

2つめは、エアコンを使用する時間の比較だ。

都築氏は次の3パターン――

(撮影=今井一詞)

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