「厚生年金20年以上」に満たない場合

――つまり、タイミング次第で約42万円もの差が出るんですね。

もう1つ知っておきたいのが、厚生年金の加入期間です。原則20年以上必要ですが、65歳時点で足りなくても、65歳以降に働いて厚生年金に加入すれば、在職定時改定制度により毎年10月に加入期間が反映されます。在職定時改定時(※)に20年に達した時点で、要件を満たせば加給年金が支給されます。

※65歳到達後(または定額部分支給開始年齢に到達した後)、被保険者期間が20年以上となった場合は、在職定時改定時、退職改定時(または70歳到達時)に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算される

――つまり、リタイアするのを遅らせることでもチャンスがあるということですね!

最近では65歳を過ぎても働く人も増えていますから、要件を満たせる可能性が高いですよ。

――ところで、申請手続きはしないと受け取れませんよね?

はい、必要です。申請は、年金事務所や街角の年金相談センターで行います。65歳の約3カ月前に届く「年金請求書」に、配偶者や子どもの情報を正しく記入してください。書き漏れがあると支給されないこともあるので、注意が必要です。

5年の時効を過ぎるともらえない

――うっかり書き忘れると、もらえるはずの年金を逃す可能性もあるんですね。もし、申請を忘れたらどうなりますか?

加給年金には「時効」があって、申請が遅れても5年以内ならさかのぼって受け取れます。ただし、5年を過ぎた分はもらえなくなってしまうので、できるだけ早めに手続きすることです。

――つまり、70歳までに申請すれば間に合うってことですか?

正確には、65歳から5年以内、つまり70歳の誕生日の前日までに申請すれば間に合いますよ。

――わかりました。事前に該当するかどうかチェックしておくことで、申請忘れが防げそうですね。

そうですね。年金は「納めたら終わり」と思われがちですが、申請することでプラスになる制度もあります。加給年金はその代表格。いわば「もらい忘れ年金」の要です。

――大事なことだから、同世代の友人にも伝えておきます!

ぜひそうしてください。年金を「もらう権利があるものは、確実にもらう」。それが老後資金を最大化するコツです。知っているだけで安心が1つ増えますし、世帯単位でしっかり備えておけば、老後の選択肢が広がりますよ。